毎日日報を書くことに対して「時間の無駄」と思っている人も多いのではないでしょうか。確かに、日報の作成は手間も面倒もかかり、人によっては時間の無駄に思えることも少なくありません。
この記事では、日報が時間の無駄と言われる理由をはじめ、日報を無駄にしないための方法を解説します。日報の必要性についても紹介するため、日報が時間の無駄だと感じている人はぜひ参考にしてみてください。
そもそも日報の必要性とは

そもそも、日報の必要性についてはマネージャー層や上司が理解していないと説得力がありません。
まずは改めて日報の必要性を解説していきます。
業務報告
日報の主な目的は「業務報告」です。
チームメンバーがいつ・どの作業を・どのくらいの工数で行ったのか報告することで、適切な評価や人員配置に役立てることができます。
また、メンバーの業務負荷のバランスを把握し、働きやすい環境を整えることにもつながります。
情報共有
日報は情報共有の意味もあります。
どの情報が役立つかは業界にもよるので、一例を挙げます。
建設業:現場ごとの人員や懸念事項
受託開発:案件や取引先ごとの工数・進捗
製造業:ラインごとの進捗やヒヤリハット
販売業:天気・曜日・季節ごとの客層や売れ線
日報は毎日の情報共有はもちろん、的な売上増加につながる重要な中長期データの蓄積です。
生産性向上
日報は生産性向上の意味もあるといえます。
「日報=生産性向上」というと想像がつきにくいかもしれませんが、以下の例のようなつながりがあります。
- 自分や部下の成長が可視化される→モチベーションになる
- 社員が改善点に自分で気づける→自走できる社員が増える
- 日々の業務のムダに気づける→効率化につながる
- 日常に潜むヒヤリハットに気づける→怪我や事故が減る
- 社員同士のコミュニケーションが増える→離職率低下につながる
チームメンバー一人ひとりが日報をきちんと書くことで、こうした小さなメリットがやがて大きな生産性向上につながっていくことも日報作成のメリットです。
特に「何がセクハラになるか分からない」「プライベートの話がしづらい」と悩んでいる方こそ、日報をきっかけに社員の成長や業務内容を話しの種にできるのではないでしょうか。
日報が時間の無駄と言われる理由

早速ですが、日報が時間の無駄と言われる理由について見ていきましょう。
日報の目的を理解していないから
日報が時間の無駄と言われる理由の1つに、日報の目的を理解していないという点が挙げられます。
日報を作成している社員のほとんどは「職場の決まりだから」という理由で日報を作成していることでしょう。しかし、会社側・企業側からすると日報は進捗管理や体調管理の側面があるわけです。
単なるルーティンワークで日報を作成していると、その意味を感じられなくなって当然です。逆にきちんと意味を理解して作成すれば、日報も決して時間の無駄とはなりません。
以下は一般的な会社・企業が日報を導入している目的の一例となります。
- 上司・先輩への業務報告
- 自分自身の作業の振り返り
- 職場に関する情報の社内共有
日報の目的は職場ごとに千差万別ですが、以上のような目的があります。
この目的を理解するのとしないのとで、両者の間に認識の齟齬が生まれるでしょう。
日報の作成に時間を奪われるから
日報は文章で作成するため、文章を書くことに苦手意識を持っている人ほど日報の作成に時間を奪われてしまいます。書くことがなかなか見つからない場合は、その内容を考えて文章に落とし込むという作業だけで時間が奪われてしまうわけです。
文章の得意不得意は人によって大きな差があり、苦手な人にとっては苦痛にすら感じてしまうでしょう。
日報は単に日記のように1日あったことを書くだけではなく、課題の発見や所感の記入なども必要となります。感想文ではないからこそ、作成する文章もある程度のレベルが求められるため、人によってはより苦手意識を抱いてしまうわけです。
それ自体が時間の無駄と言われる理由でもあります。
誰からもレスポンスがないから
会社や企業のなかには、日報作成を義務化しているにもかかわらず、誰も確認していない場合があります。一生懸命書いた文章も、誰にも見られないのであればモチベーションを削がれてしまうでしょう。
そもそも日報は業務報告や振り返りなどの意味合いが強いため、レスポンスがなくても作成すべきものです。
本来は社内共有のために日報を作成することも重要なのですが、その環境自体が整っていない場合は社員も「日報=無駄」と感じてしまうでしょう。現に「日報を書いてもらってはいるけど、レスポンスしていない」という職場は社員の日報に対するやる気も出ない傾向にあります。
「日報なんて意味ない」と思う部下の本音

ここからは、実際に筆者が前職で感じていた「日報なんて意味ない」の要因を振り返って紹介していきます。
- 日報を見ていないのがバレバレ
- 特にフィードバックがない
- 会議で同じ内容を共有している
- 毎日同じ内容で記入時間がムダ
- 単に日報の有用性を理解していない
日報を見ていないのがバレバレ
上司が日報を見ていないことを実感したときに、日報に意味なんてあるのだろうかと感じてしまいます。
例えば、日報に書いたはずの内容を直接質問される、等です。
「それ日報に書きましたけど」なんて言えませんし、せっかく定時過ぎに記入時間を設けているのにも関わらずなんのために書いているんだろうと無力感を感じる原因になりました。
特にフィードバックがない
せっかく頑張って日報を記入しても特にフィードバックがないので、日報を書く意味を感じられませんでした。
そんななか、実はわざと間違えた内容の日報を書いたり、雑な内容で提出したこともあったのですが、特に言及はなく。
「日報なんて頑張っても雑でも同じじゃん」と思うと、やはり日報はムダだなと思ってしまいました。
会議で同じ内容を共有している
日報にまつわるムダといえば、結局同じ内容を朝会や週次ミーティングで話していることです。
そういったムダを省くために日報で情報共有しているのでは?と思いましたし、結局ミーティングで話すなら日報をきちんと書く必要がないなと感じてしまいました。
毎日同じ内容で記入時間がムダ
事務系の仕事をしていたときは、記入内容が多いわりに毎日同じような内容だったので、ムダだなと感じていました。
コピペするにしてもメールでの提出だったため、わざわざ送信ボックスを開いて日報メールを探して、コピペして、日付だけ修正して…という時間も苦痛でした。
単に日報の有用性を理解していない
そもそも日報の必要性についての説明がなく、上司に聞いても「そういうのが社会のマナーだから」という回答しか得られませんでした。
これでは、ムダ作業という感情が湧いてしまうのも当然です。
この記事を読んでいるあなたは、日報の有用性についてしっかり理解し、メンバーや部下に説明できるようにしましょう。
日報を書くメリット

では、そもそも日報を書くことでどのようなメリットがあるのでしょうか?少なくとも日報を義務付ける立場にある方は理解して説明できるようにしておく必要があるでしょう。
仕事の進捗状況が共有できる
日報は仕事の進捗状況の確認を行う上で、重要な役割を担っています。
そもそも会社や企業などの組織は、社員が行った1日の活動すべてを把握するのが困難です。1日で誰がいつどこで作業を行い、どのような成果を出したのかは本人に報告してもらうのが一番です。
逆に上司や先輩が進捗を把握できていない場合、業務上のトラブルが発生する可能性も出てきます。例えば、取引先からの要望が共有できておらず、意図した成果物が出来上がらないこともあるでしょう。
他にも、日報は各々がどれくらいのスピードで業務に当たっているのかを把握するツールとしても役立ちます。作業の速度は社員によって千差万別だからこそ、日報は仕事の割り当てにも役立てられているわけです。
作業による成果が可視化される
社員が「今日はこれだけの作業を終わらせました」と報告しても、具体的に何を行ったのかを明確にできなければ本当に仕事をしたのかが見えてきません。
日報には作業による成果の視覚化という目的もあります。実際に「今日は営業をかけていたクライアントとの契約が1件取れました」と報告しておけば、日報を見るだけで社員の成果が目に見えます。
逆に何も記録が残っていない場合、後々になってから「この契約は誰がいつどこで取ったもの?」と混乱を招きかねません。つまり、日報は「仕事をした」という証明書になるわけです。
この点を理解せずに作成していると、成果がうまく伝わらないこともあるでしょう。そうなれば、自分自身の人事査定にも響く可能性があります。だからこそ、日報は必要なのです。
コミュニケーションの強化につながる
日報はコミュニケーションの強化という点においても優れた手段です。
上司や先輩との交流は、部下や後輩にとっては負担となる場合もあります。しかし、最近は在宅勤務の普及により、社内でのコミュニケーションもより不足しがちな状況となっています。
人と関わらなくなるとチームとの一体感も失われ、孤独感・孤立感を抱きやすくなります。逆に毎日日報を記しておけば、フィードバックの際に上司や先輩とコミュニケーションが取れるでしょう。
ビジネス文書の習得につながる
文章を書くこと自体は、コミュニケーションツールで慣れている人も多いかと思います。毎日のようにメールやラインでやり取りする現代人は、むしろ文章の作成に慣れている人が少なくありません。
しかし、友達と連絡を取り合うような文章はビジネスの世界では通用しません。
ビジネスの世界では独自のマナー・ルールが存在し、ビジネスマナーに沿った文章の作成が求められます。文章の構成はもちろん言葉遣いやわかりやすさに至るまで、書き手は読み手のことを考えて作成せねばなりません。
日報を毎日書くことはビジネス文書の習得にもつながり、結果として日報を書くこと自体が社会人としての成長につながっていくでしょう。
自分自身の成長を実感する
日報は日々思ったことや感じたことを書くだけでなく、その日1日何を成し遂げたのかを書くものです。そのため、自分自身の成長を実感することにもつながります。
ルーティンワークの場合、日々の成長が止まっているような感覚に陥ることもあるでしょう。しかし、日報を書くことで1日ごとに小さなステップを踏んでいることを実感でき、いずれは大きなゴールも見えてくるようになります。
逆に何も記録していない場合、自分自身の心境の変化なども曖昧となり、成長している実感も得られなくなるわけです。そうなってしまっては自信を失うどころか、働く意義すら見出せなくなるでしょう。
それゆえ、日報は自分自身の成長を実感するために書いておくべきものといえるでしょう。
PDCAを習慣化する
日報は「P(計画)・D(実行)・C(評価)・A(改善)」というサイクルを習慣化させる役割もあります。PDCAをうまく回すには、計画・実行・評価・改善までを正しく認識する必要があります。
今日の目標をきちんと立てて行動に移し、評価を受け止めて改善できる部分がないかを探す一連の流れは日報があってこそのものです。日報に1日の流れを記入しておけば、どこかしら改善点が見えてくるものです。
その課題を見つけてPDCAを習慣化させるためにも、日報は必要といえるでしょう。
日報を無駄にしないための方法

最後に、日報を無駄にしないための方法について見ていきましょう。
日報の目的を明確化する
日報を無駄にしないためには、まず目的を明確化することが大切です。
「そもそもなぜ日報を書くのか」この意味を理解するだけで、なぜ毎日日報を作成するべきなのかが見えてきます。前述した通り、日報には以下のような目的があります。
- 上司・先輩への業務報告
- 自分自身の作業の振り返り
- 職場に関する情報の社内共有
以上の目的の他にも、日報が持つ役割は数え切れません。だからこそ、まずは自分自身がなぜ日報を作成しなければならないのかを明確にしましょう。
もちろん、ここで挙げた以外にも意味を見出すことがポイントとなります。
成功・失敗したことに着目する
日報は1日の感想文を書くのではなく、仕事に対する所感も含めて書くことが求められます。
例えば「本日は○○社との商談にて契約を1件獲得しました。ただ、トークが脱線することが度々あったため、次は雑談ばかりではなく商品・サービスの魅力をより伝えられるよう意識したいです」と書くだけで成功と失敗が視覚化されます。
単に「今日は営業に行きました」と書くだけでは、1日の反省が見えてきません。だからこそ、日報には成功したことと失敗したこと、この2つに所感を織り交ぜて書くことが必要です。
アイディアを定期的にメモする
日報の作成はネタ切れで「何も書くことがない」と立ち止まってしまうこともあります。
それゆえ、日報に書けそうな出来事があったらメモを取るようにしましょう。アイディアなどはいつどこで生まれるかわからないため、定期的にメモするようにしておくと日報作成にも役立ちます。
ひょんなことから業務に活かせる秘策が思いつくこともあるからこそ、メモを取る習慣は社会人にとって必須のスキルといえるでしょう。
日報を活用する環境を整える
日報はただ書くだけでは有効活用できません。うまく上司・先輩にフィードバックしてもらうことで、よりその効果を発揮します。
例えば、日報をただ書いて終わっている場合、自分自身で課題を見つけることができたとしてもうまく立ち回れないことがしばしばあります。逆に上司や先輩と日報を通して情報共有できれば、さらなる業務効率化も目指せるはずです。
単に部下や後輩の身体的・肉体的な変化にも気づきやすくなるため、人事管理の面でも日報は欠かせません。最近では体や心を壊して働けなくなる人も珍しくないからこそ、日報を体調管理ツールとして役立てることが必要です。
要するに日報を活用する環境を会社側・企業側が整えることが必須ということです。
部下が日報を書きたくなるコツは?

ここからはさっそく、日報管理ツールを提供している会社に転職した私が、部下が積極的に日報を書きたくなるコツを紹介していきます!
- 日報の有用性を理解してもらう
- 実際に活用しているシーンを見せる
- コミュニケーションのきっかけにする
- 記入しやすいツールを導入する
日報の有用性を理解してもらう
まず重要なのは、マネージャー層や上司自身が先述の日報の有用性を理解し、部下にしっかり説明できることです。
先ほど紹介した「業務報告」「情報共有」「生産性向上」の3点を、自社や職場に照らし合わせて説明できるだけでも、意識の高い部下は日報を書く気になってくれるでしょう。
実際に活用しているシーンを見せる
日報の有用性がいまいちピンと来ていないメンバーには、実際に日報を活用しているシーンを見せると説得力が増すでしょう。
活用シーン例
- 人事評価で日報の内容を加味する
- 部署移動の適性確認で日報の内容を加味する
- 工数見積もりや人工計算に日報の記入事項を活用する
- 日報をきっかけに業務改善システムを導入する
- 日報をきっかけに売り場や現場の改善を進める
実際に日報管理システムを導入したことで人工計算のミスが減少したり業務改善につながった事例などもあるため、ぜひ部下への説明にご活用ください。
コミュニケーションのきっかけにする
会話や会議の中で日報の内容についての言及があると、部下も「日報をきちんと書いていてよかった」「見てくれているならきちんと書こう」という気持ちになるはずです。
ただし、マイナスなフィードバックが多いと日報を書くのも億劫になってしまうため、まずきちんと記入していることを褒めるのも忘れないでください。
コメント機能のある日報管理システム(ビヨンド日報くんやgamba!など)を利用することで、日報を通じたコミュニケーションもより促進されます。
記入しやすいツールを導入する
そもそも、メールやExcelへの記入、ましてやコピペできない日報紙への記入だと、日報記入のめんどくささから「意味ない」という気持ちに傾いてしまうのも無理ありません。
日報の作成が効率化できる日報作成ツールを導入することで、社員の日報のめんどくさを軽減できるのはもちろん、ツールによっては工数集計が大幅に効率化できることもあります。
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まとめ
日報は目的を把握して作成すれば、決して時間の無駄にはなりません。しかし、作成すること自体は手間や面倒がかかるのも事実です。
そのため、どうしても「日報が無駄」という意識が抜けない人は、まずフォーマット化してスムーズに作成する環境を整えましょう。例えば、日報作成をサポートするサービス「ビヨンド日報くん」を活用すれば日報も簡単に作成できます。
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yama13
慶應義塾大学卒。2020年より中小企業の経理業務に従事。現在は経理と並行してマーケティング領域も担当し、数字に基づく経営状況の分析を得意とする。実務視点と戦略的な思考を活かし、現場に即した改善提案を行っている。




