
美容院・美容室の経営者にとって、日報は店舗を効果的に運営するために欠かせないものです。
しかし、スタッフが日報を書いてくれない、どのように記載してもらえばよいか分からない、とお困りの方もいるかもしれません。
そこでこの記事では、美容院における日報の必要性や記載内容、効率的な管理方法などについて解説しています。将来の業務に役立つ日報を効果的に作成する参考になれば幸いです。

美容院の日報とは
日報とは、日々の業務や活動の実績や情報を記録した報告書のことです。
通常、日報は日付や担当者名といった基本情報と、その日の出来事や成果、課題、経過報告などを簡潔にまとめています。日報は管理や意思決定、進捗確認などの目的で使用され、特定のプロジェクトや組織で活用されます。
売上日報(営業日報)とは
売上日報とは、美容院やサロンなどの小売業やサービス業において、日々の営業活動における売上に関する情報をまとめて記録した報告書のことです。
経営者やマネージャーは売上日報を参考に、営業成績の把握、目標達成の管理、効果的な経営戦略の立案、マーケティング施策の評価などに活用します。
また、経理処理や監査の際にも売上日報は重要な情報源となります。正確かつ詳細な売上日報の作成は、美容院の健全な経営に欠かせない要素です。
売上日報をつける目的
売上日報をつける目的は、以下のような点が挙げられます。
- 営業実績の把握
- 経営の評価と改善
- 目標の管理
- データ分析と戦略立案
- ノウハウの共有とコミュニケーション活性化
- 経理・監査のための情報
これらの目的を達成するために、美容院では売上日報の正確な記録と定期的な分析が重要です。売上日報は、美容院の経営において戦略的な意思決定や業績向上に向けた重要なツールとなります。
美容院の日報の項目

日報に決まった形式はないため日付と所感などを記入すればよいというケースもありますが、ここでは美容院の日報に記載するおすすめの項目を紹介します。
以上の項目の全てが必須ではありませんが、毎日記入しておくと月次や年次の作業が容易になります。また、上記以外にも把握したい情報があれば加えるとよいでしょう。
日付と曜日
基本の記載事項です。曜日指数を計算する際にも利用されます。日付と曜日以外に、天気を記載してもよいでしょう。
客数(総客数・技術客数・店販客数/リピート・新規)
『技術客数』とは、美容院で提供するカット、カラー、パーマなどのメニューを受けたお客様の数のことです。美容院の営業実績やスタッフの忙しさを把握する上で重要な指標となります。技術客数は『1人の美容師の月間施術客数×美容師数』または『1つのセット面の月間利用回数×セット面数』によって算出できます。
例えば、美容師1人につき月100人施術し、美容師が4人在籍している店舗では、月間技術客数は400名です。同様に、セット面1台当たりの月間利用数が100人で、セット面の数が4台ある店舗では、月間技術客数は400名となります。しかし、セット面から月間技術客数を算出する際には、お客様の平均滞在時間や、スタッフの負担を考慮する必要があります。
・美容師1人あたりの施術数100人/月×4人=月間技術客数400名
・1台あたりの利用者数100人/月×セット面4台=月間技術客数400名
『店販客数』とは、店舗で販売しているシャンプーやスタイリング剤などを購入した客数のことで、『月間技術客数×店販購入率』の式で算出します。例えば、月間技術客数が400名、店販購入率が10%であれば、月間店販客数は40名となります。
月間技術客数400名×店販購入率10%=月間店販客数40名
また、美容院では『リピート』と『新規』の客数の記録が重要です。リピートは来店2回目以降の客数を指し、新規ははじめて来店した客数を示します。
これらの客数を時間帯別で記録することで、店舗のピーク時間帯を把握できます。
客単価(総客単価・技術単価・店販単価)
『技術単価』とは、美容院のサービスを受けた1人のお客様が支払う全ての金額で、美容院の収益や各メニューの利用状況を分析する上で大切な指標です。
技術単価は、『メニュー単価×利用比率』の式を用いて算出し、それらを合算します。
例えば、カットとカラーの施術を受けた場合、カットのメニュー単価が4,000円で利用比率が90%とするとカットの技術単価は3,600円。カラーのメニュー単価が6,000円で利用比率が20%とするとカラーの技術単価は1,200円です。そして、合計技術単価はカットの3,600円+カラーの1,200=4,800円となります。
・カットメニュー単価4,000円×利用比率90%=カット技術単価3,600円
・カラーメニュー単価6,000円×利用比率20%=カラー技術単価1,200円
『店販単価』とは、1人のお客様が店舗で販売しているシャンプーやスタイリング剤などを購入する際に支払う金額で、売上の分析や商品の人気度を理解する上で大切な役割を果たします。
店販単価は、『商品単価×購入率』の式で算出し、それらを合算します。
例えば、シャンプーとヘアオイルを購入した場合、シャンプーの商品単価が1,400円で購入率が50%とするとシャンプーの店販単価は700円。ヘアオイルの商品単価が2,000円で購入率が15%とするとヘアオイルの店販単価は300円です。そして、合計店販単価はシャンプーの700円+ヘアオイルの300円=1,000円となります。
・シャンプー単価1,400円×購入率50%=シャンプー店販単価700円
・ヘアオイル単価2,000円×購入率15%=ヘアオイル店販単価300円
・シャンプー店販単価700円+ヘアオイル店販単価300円=合計店販単価1,000円/p>
売上高(総売上・技術売上・店販売上/外部・社内/ポイント)
『技術売上』は『技術客数×技術単価』で求められ、『店販売上』は『店販客数×店販単価』で算出できます。
そして、これらを合計したものが『総売上』となります。
『外部』は一般のお客様への売上、『社内』はスタッフに対して販売した社内販売です。
また、美容院での精算の際、ホットペッパーなどの『ポイント』を利用されるお客様もいると思います。この場合、ポイント発行元である会社から後日入金を受けることになりますが、この分の売上も全て売上日報に集計しておく必要があります。
メニュー別客数(パーマ・カラー・トリートメント・ヘッドスパ等)
メニュー別客数を記録することで、お客様に人気のあるメニューが何かを把握できます。人気メニューの特定は、サービス提供や商品の調整に役立ちます。また、各商品の需要予測が可能となり、在庫管理がスムーズに行われ、無駄な仕入れを避けられます。
メニュー別売上(パーマ・カラー・トリートメント・ヘッドスパ等)
メニュー別の売上を記録すると、美容院の収益を正確に把握できます。どのメニューが売上を最も多くもたらしているか、またどのメニューが伸び悩んでいるかを把握することで、経営戦略の立案や収益の最適化に役立ちます。
施術時間管理
各メニューに標準的な施術時間を設定しておくと、スタッフがお客様に適切な時間をあてられます。施術時間の管理は、スタッフのスケジュールを効率的に組む手助けとなり、予約時間を守ることにもつながります。
目標売上額に対する達成度
目標売上額と実際の売上額を比較して、達成率を算出します。
この指標は、美容院の経営状況を把握する上で非常に重要です。目標売上額に対する達成度が高い場合、美容院は順調に経営が進んでいると判断できます。一方、目標売上額に対する達成度が低い場合は、売上向上のために施策を見直す必要があるかもしれません。
入金種別(現金・クレジット・振込等)
入金種別を分けて記載することで、売上の内訳が明確になります。
この情報は、会計の正確性や透明性を確保し、経営判断のサポートや売上動向の把握に役立ちます。さらに、会計監査への対応にも重要な役割を果たすでしょう。
入金種別の記載は、売上高と実際の入金が一致しているかを確認する際にも非常に便利です。例えば、クレジットカードやデビットカードの売上は即時ではなく、一定期間後に入金される場合があります。入金種別を分けて記載しておけば、適切なタイミングで入金を確認し、経理上のミスを防ぐことができます。
経費(現金)
売上代金を日々の経費にあてている店舗では、『経費』の項目を作りましょう。売上と入金が一致しない事態が頻発すると、あとの会計処理がむずかしくなります。
差し引き入金額
売上の中で、『現金による売上高から経費の支払いを差し引いた金額』を指します。つまり、これが実際に預金口座に入金される額になります。
預金入金日
現金売上分は、できれば当日中に預金口座に入金されることが望ましいですが、営業時間などの都合によりそれが叶わない場合は、預金入金日を記載しましょう。これにより、売上が実際にいつ預金されたかが分かり、入金のタイミングに遅延があった場合にも追跡が可能となります。
備考・申し送り
近隣のイベントの有無や時間帯、季節による変動の情報を記入すると役立ちます。
また、担当したお客様の情報(施術中は静かに過ごされたい、カラー剤が定着しにくい髪質など)を記録しておくと、次回来店時に細やかな配慮ができ、顧客満足度の向上につながります。
日報を効率的に管理するには

日報管理機能を備えたアプリやシステムを活用することで、日報の記入を簡単に行えるようにしましょう。デジタル化によって日報の内容と売上を一元管理できるようになり、経営戦略の立案や分析もスムーズに行えます。
デジタル化でスタッフの負担を軽減できるうえに、情報の正確性とタイムリーな入力が保証され、リアルタイムな営業状況の把握が可能となります。
また、デジタル化されたデータはチーム全体で共有しやすくなります。情報の共有とコミュニケーションが円滑になり、目標達成に向けた協力を促進します。
デジタル管理された日報のデータを分析することで、売上動向や顧客の傾向を把握し、効果的な施策や改善策を見つけだせます。効率的に管理された日報は、経営戦略の立案や経営判断に役立つ貴重な情報源となるでしょう。
まとめ
美容院・美容室の日報は、経営の把握や売上管理、経営施策の評価や改善など、美容院の運営において重要な役割を果たします。
また、来店した顧客の情報やスタッフの所感などを共有すると、スタッフどうしや経営者とのコミュニケーションが円滑になり、よりよいサービスの提供やチームワークの向上にもつながるでしょう。
スタッフにも日報の必要性を理解してもらい、積極的に日報を記入してもらうことで、経営により的確な情報を得られるようになります。日報を有効活用し、美容院の成長と発展に向けて全員で協力しましょう。
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