
部下の業務管理は上司の役目です。
従業員の中にはタスク管理が苦手な部下もいるため、上司がうまく導いてあげる必要があります。しかし、方法を間違えると上司と部下の関係に亀裂が入ることもあるため、タスクマネジメントには十分注意しなければなりません。
この記事では、部下の業務管理の方法と注意点を解説します。併せてタスク管理が苦手な部下の特徴も説明するため、ぜひタスクマネジメントの参考にしてください。

タスク管理が苦手な部下の特徴

まずは、タスク管理が苦手な部下の特徴について見ていきましょう。
仕事を細分化できていない
タスク管理が苦手な部下は、仕事を細分化できていない可能性があります。仕事を大きな視点で捉えることも重要ですが、一つひとつの仕事は小さな視点で捉えることが大切です。
業務管理ができない部下ほど仕事を細分化せずに大枠だけで動いてしまう傾向にあるため、上司が正しい方向へ導いてあげる必要があります。
もし部下が「この仕事は何のために必要なのですか?」と聞いてきた場合、上司は各業務がどのように連動しているのかを教えることが重要です。
仕事の優先順位がわかっていない
タスク管理が苦手な部下は、仕事の優先順位が分かっていない可能性があります。
闇雲に部下に仕事を振っていると、仕事の優先順位がわからないままタスクを進める部下が生まれ、結果的に業務管理が困難になることも珍しくありません。
仕事には優先順位があり、早急に着手しなければならない案件と後回しで構わない案件があります。タスク管理が苦手な部下は優先順位がわかっていないゆえに、重大な仕事を先送りにしてしまうわけです。
上司が優先順位の決め方を教え、どの案件から着手すべきなのかを伝えなければいけません。
仕事の期限が把握できていない
業務管理が苦手な部下のなかには、仕事の期限が把握できていないパターンもあります。
仕事に慣れていない従業員の場合、一つのタスクを終えるのにかかる時間を把握していないため、タスク管理に無理が生じます。
その結果、納期までに間に間に合わないという問題が発生するわけです。部下によっては仕事を断れずにすべて引き受けてしまい、他のことにまで手が回らなくなることもあります。
一見するとこうした問題は部下の責任に思えますが、大半は仕事を回している上司の責任です。
無理な納期での仕事を割り振るなど上司自身にも問題がある可能性があるため、仕事の期限についてはチーム全体で把握しておく必要があるでしょう。
部下の業務管理の方法

次に、部下の業務管理の方法について見ていきましょう。
部下との信頼関係を構築する
部下の業務管理を実践する前に、まずは部下との信頼関係を構築する必要があります。部下から「あの上司と働くのは嫌だ」と思われてしまっては、業務管理どころではありません。
上司と部下の関係に亀裂が入る背景には、コミュニケーション不足が挙げられます。例えば、よく知らない上司にひたすら仕事を任され続けていると、部下には「なぜこのような仕事ばかり押し付けるんだろう」という感情が生まれてしまいます。
しかし、上司がどのような人なのか知っている関係であれば、多少仕事の割り振りに問題があってもお互いに協力して業務をこなすことが可能です。
必要なタスクを細分化させる
部下の業務管理では、必要なタスクを細分化させましょう。頭の中だけでタスク管理する部下もいるため、メモを取らせながらタスクの細分化を進めていくのが効果的です。
タスクを分解していくことで、直近でやるべきことが明確になり、部下も何をすべきかが見えてきます。逆に「これやっといて」と上司が投げやりな指示ばかりしていると部下は方向性を見失い、結果的に仕事で成果が出せなくなってしまいます。
必要な業務を大カテゴリと小カテゴリに分け、細かな作業から進めていけるように誘導してあげましょう。
緊急度や重要度で優先順位を作る
仕事は緊急度や重要度の高いものから消化していくのが基本です。しかし、タスク管理ができない部下の場合、とりあえず言われた仕事から着手してしまいます。
それでは効率的に仕事を進められないため、優先順位を作るように業務管理してあげることも重要です。部下が「何から始めようか」と迷っている場合は、上司が優先順位を教えながら部下自身の考える力も養ってあげる必要があります。
明確なスケジュールを設定する
部下に仕事を任せる場合は、明確なスケジュールを設定しましょう。
いつまでに必要なのかを伝えないと、部下によっては一向に着手しない場合があります。そのまま放置され、案件自体のことを失念してしまうことも珍しくありません。
仕事を回す場合は必ず「〇月〇日の〇時までに」と明確な日時を指定してください。
ただし、納期ギリギリだと間に合わない可能性も出てくるため、部下に対しては納期よりも若干早めのスケジュールを渡しておくのがおすすめです。
進捗に合わせて柔軟に対応する
仕事の進捗は本人ごとに変わってきます。Aさんはとても仕事が早い一方、Bさんは仕事が遅いかもしれません。上司に優劣があるように部下にも優劣があり、仕事の進め方も人それぞれです。
それが良いのか悪いのかは別として、部下の仕事を上手に管理することも上司の役目となります。そのため、それぞれの進捗に合わせて柔軟に対応する姿勢が求められます。
「Aさんは仕事が早いから難しい仕事を任せてみよう」「Bさんは仕事が遅いから簡単な仕事を任せるか」と割り振るのも必要ですが、状況は常に変わっていくため、上司自身が柔軟に対応することも求められるでしょう。
必要に応じて情報を共有する
企業などの組織で動く場合、情報共有は必須です。部下の誰がどの案件に着手していて、どの程度まで進んでいるのかを上司は常に把握しなければなりません。
普段から直接口頭で伝えている場合もあれば電話やメールで伝えている場合もあるはずですが、細かな仕事の進捗については把握しきれていない上司も珍しくありません。
しかし、仕事の進捗がわからないと案件自体の進捗にも問題が生じるため、誰がどの仕事を担当しているのかは日報などで明確にしておく必要があります。
日報は日々の仕事の進捗だけでなく、部下の思いも知ることができるため、作成を義務化しておいて損はありません。
日報は単なる情報共有だけでなくスキルやノウハウが蓄積された後世育成のマニュアルとなるため、必ず作成してもらいましょう。
部下の業務管理の注意点

最後に、部下の業務管理の注意点について見ていきましょう。
マイクロマネジメントを行わないこと
マイクロマネジメントとは、部下の行動を逐一管理しようとすることを指します。
業務管理で部下の行動を把握することは重要ですが、度を越えた過干渉や監視は従業員を萎縮させてしまうリスクがあります。
過度に干渉・監視することで、上司が部下のミスを延々と探し続けてしまうこともあります。その結果、重箱の隅を突くような指摘ばかりとなり、部下が本来の力を発揮できなくなるのです。
こうしたマイクロマネジメントを続けると、部下はミスをしないことばかりにエネルギーを割くようになるため、業務管理の効率化も難しくなってしまいます。
自主性や自発性を邪魔しないこと
上司は部下の業務管理を行う立場にあるため、つい口出ししたくなるものです。しかし、上司から逐一仕事の指示が入ると、部下はその指示を守ることで精一杯になります。
本来、仕事は自主的・自発的に考えてこなしていく必要がありますが、上司が一つひとつの細かなプロセスに対しても口出しすると、部下は「自分の仕事」という意識を失いかねません。
部下にも自分のやり方というものがある一方、上司のやり方を押し付けることで次第に「あの人のいうことだけ聞いていればいいか」と考えるような人材になります。
これでは、本当の意味で“組織にとって役立つ人材の育成”は叶いません。
上司は仕事の良し悪しを教えながらも、部下の自主性や自発性を奪うようなことはしてはならないといえるでしょう。
モチベーションを維持させること
部下に限らず、自分で仕事をコントロールできないと仕事に対するモチベーションが損なわれる可能性があります。
どの仕事にも上司の介入があると、ひたすら指示をこなすだけのルーティンワークとなってしまい、結果として「やらされている感」を抱くことにつながります。
義務感のみで仕事をこなしていると次第にモチベーションは失われてしまうため、十分な注意が必要です。こうした部下のモチベーションを保つのも上司の仕事。逆にやる気のない部下をひたすらに叱ってばかりの上司は、本当の意味で優秀な上司とはいえません。
優秀な上司は部下のモチベーションを維持し続け、最適な成果を挙げるよう誘導することができる上司です。
まとめ
部下の業務管理の方法には正解も不正解もありません。しかし、だからこそ上司はどのようにタスク管理するべきなのかと頭を抱えてしまいます。なかには、自分の仕事そっちのけで部下の業務管理に追われている上司の方もいるのではないでしょうか。
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