
ビジネスにおける日報(にっぽう)は、日々の業務内容や進捗状況、成果を報告する文書です。基本的に毎日提出し、日次報告書とも呼ばれます。
日報は業務の透明性を高めチームや上司とのコミュニケーションを促進するために重要なものですが、記入や管理が手間だと思われがちです。
しかし、日報の提出により企業全体の効率が向上し業務改善に役立つと聞くと、ぜひ従業員に書いてもらいたいと思われるのではないでしょうか。
この記事では日報の目的と意義、メリット・デメリットを解説し、デジタル化に適したツールも紹介します。日報の重要性を理解し、効果的な活用を目指す方はぜひ最後までご覧ください。

日報はなぜ必要なのか

日報は、単にその日あったことを報告するだけの役割ではなく、業務の効率化や品質向上、チームの協力と成長を支援するものです。
なんのために日報を書くのか、主な目的と意義は以下のようなものになります。
- 業務の振り返りと進捗の管理
- ノウハウや知識の蓄積と共有
- チームや上司とコミュニケーション促進
業務の振り返りと進捗の管理
日報を記述することにより、日々の業務の内容や進捗状況を客観的に把握し、業務の進捗や課題を把握できるようになります。
この情報を元にして改善策を考える機会が得られるため、業務の効率化や品質向上にもつながるでしょう。さらに、振り返りを通じて目標達成の進捗を確認し、必要に応じて目標の修正や調整も行なえます。
ノウハウや知識の蓄積と共有
日報は、日々の業務遂行中に得られたノウハウや知識を記録する貴重な手段です。
日々の業務の中で解決した問題や新しいアプローチを記録・共有することで、同じ課題に直面する他のメンバーがそれを参考にできます。これにより、個人の経験や知見だけでなく、組織全体の成長や学習が促進されます。
ノウハウや知識の共有によってチーム全体の生産性が向上し、効率的な業務遂行が可能となるうえに、長期的に見れば組織全体の知識の蓄積と活用への貢献にもなるでしょう。
チームや上司とのコミュニケーション促進
日報は、チームメンバーや上司とのコミュニケーションを活発化させる有効な手段です。日々の業務内容や進捗を共有することで情報がリアルタイムに伝わり、全体の把握が容易になります。
さらに、日報を通じて意見交換やアイデアの共有が行われると、新しい視点や解決策が生まれる場合もあります。これにより、効率的な業務遂行や問題の早期解決が促進されるでしょう。
チーム内のコミュニケーションが円滑になり協力体制が強化され、結果的に業績向上につながる可能性もあります。
日報を作成するメリット
ここでは、日報の運用による5つのメリットについてお伝えします。
日報作成のメリットを理解し周知を促進することで、日報の意義を最大限に引きだせるでしょう。
業務改善と効率化
日報は業務の課題や改善点を把握し、業務改善と効率化に大きく貢献するものです。
日々の報告を通じて現状を客観的に把握して問題点を特定し、改善策を提案できるため、業務プロセスの最適化につながります。また、毎日の報告によって進捗状況が把握できるため、目標達成やタスクの優先順位を調整する際にも役立ちます。
知識の共有と成長
日報に記録されたノウハウや知識は、他のチームメンバーや組織全体と共有されることで循環し、知識の共有と成長が促進されます。
成果や問題解決に有益な情報が蓄積されて新たなアイデアやアプローチが生まれ、組織の能力向上につながります。
コミュニケーションの活性化
日報がチーム内でアクティブに共有されることで、メンバー間のコミュニケーションや意見交換が円滑に行われます。
進捗や成果の共有によりお互いの業務を把握しやすくなり、効率的な協力が可能となるでしょう。また、問題点や課題に対する意見交換も行われ、よりよい解決策を導き出せるようになります。相互理解が深まるとチーム全体の一体感や協力体制の構築にも寄与します。
業務の透明性向上
日報の提出により業務の透明性が向上し、チームや上司が業務の状況を把握しやすくなります。これにより適切なサポートや指導が行われ、また、問題や課題が早期に把握できるため迅速な対応が可能となります。
透明性の高い日報は信頼性を高め、経営者の意思決定にも貢献します。さらに、業務の進捗を見える化することで記入者のモチベーション向上にもつながるでしょう。
業務成果の評価
日報は個人やチームの業務成果を理解し、適切なフィードバックや評価を行う貴重な情報源です。
達成した成果や困難に直面した点を把握し、適切な評価を与えてモチベーション向上や成長につなげます。また、定期的な振り返りを通じて問題点を洗いだし、改善策を見つけることも可能です。さらに、個々の貢献の評価によりチーム全体の連携と協力を促進します。
日報を作成するデメリット

日報をただ形式的に作成するだけでは、本来の意味が失われてしまいます。
デメリットも理解し、日報の適切な運用を心掛けることが重要です。
時間と手間がかかる
日報の作成には時間と手間がかかります。特に詳細な情報を記入したり、複数の業務を報告したりするときは、日常の業務に影響を及ぼす場合もあります。
過度な負担をかけずに、必要な情報を効率的に記載できる方法を見つけることが重要です。
情報の漏えいリスク
日報には機密情報が含まれるケースがあり、慎重な取り扱いが必要になります。特にメールや紙媒体で提出する場合、情報漏えいのリスクが懸念されます。
安全性に配慮しながら、業務報告の効率化をはかる方法を検討することが必要です。
効果が限定的
日報が限られた社員や上司にしか閲覧されないとき、情報の共有やフィードバックの効果が制約される場合があります。
より広く情報を共有する仕組みを導入することで、全体での学びや成長を促進し、チームの連携や業務改善につなげられます。
情報管理が面倒
大量の日報が集まると情報管理が煩雑になります。重要な情報が埋もれたり、検索がむずかしくなったりします。
効果的な情報整理やデータベース化を行い、必要な情報を迅速に把握できる仕組みを整えることが大切です。また、分析や要約レポートの活用など、情報の見える化にも注力するとよいです。
日報の適切な集約と共有を通じて、生産性を向上させる方法を模索しましょう。
正確性に欠ける場合がある
忙しいなかでの日報作成は、情報の正確性に欠けてしまうことがあります。誤った情報が記載されると誤った判断や意思決定につながるおそれもあるため、人為的なミスをなくすシステムを構築し内容を整理する措置が重要です。
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日報の書き方

日報に決まった形式はないため業務によって記載する内容は異なりますが、組織やチーム内でフォーマットを統一すると便利です。
従業員が自由な形式で提出すると確認や集計に手間がかかり、情報の検索も困難になるためです。
自社固有のテンプレートを用意するか、独自のフォーマットを作成して日報の一元管理をはかるとよいでしょう。
基本的な記載事項
日報には、基本的に以下のような項目を記載します。
- 日付
- 所属
- 記入者氏名
- 業務・作業内容
- 業務・作業の結果や進捗状況
- 所感(課題や目標)
- 備考・申し送り事項
- 押印欄(必要に応じて)
上記項目のほか、業務形態や用途に応じて必要な項目を設定するとよいでしょう。
『所感』や『備考』欄は、日々の活動の振り返りや改善に役立てることができる重要な項目です。
日報を書く際の注意点

以下のポイントに気をつけると、書きやすく読みやすい日報を作成できるでしょう。
目的を明確にする
日報の目的を明確にし、何を報告するか、誰に向けて書くのかを把握します。
簡潔かつ具体的に書く
要点を簡潔にまとめつつ、具体的な事実や数字を交えて明確に記述しましょう。また、時系列で記載するとあとで振り返りやすくなります。
客観的に記述する
主観的な意見や感情ではなく、客観的な事実を元に記述します。
重要な情報を前にだす
最も重要な情報は先頭に記載し、必要な情報が見逃されないようにします。
業務の区切りごとに書く
業務を適切な区切りで分けて記述することで、内容が整理されます。可能であれば休憩や移動の際にメモをとっておくと、あとでまとめて思いだすよりも正確に記述できるでしょう。
改善点や課題を記載する
業務の課題や改善点を明確にし、次の行動に活かすよう心掛けます。改善の取り組みが評価されることもあります。
正確な情報提供
誤った情報を避けるために、事実確認やデータの検証を行います。
適切なフォーマットを使用する
複雑なフォーマットよりもシンプルなものを使うと、書きやすくなります。テンプレートを使用して統一性を保つ工夫も有効です。
視覚的に分かりやすくまとめる
箇条書きを使い、視覚的に分かりやすく整理します。
自己採点を行わない
自己評価は避け、客観的な事実だけを報告します。
フィードバックを歓迎する
日報はコミュニケーションの一つです。フィードバックを受け入れ、上司や同僚からのアドバイスを歓迎する姿勢をもつことで自身の成長に活かせます。
日報の価値を最大限に高めるツールとは

日報を書く際には、さまざまなツールが選択肢となります。『紙』『メール』『エクセル』『日報管理システム』などがその例です。
日報の目的や目標を考慮し、情報の効率的な共有や業務改善を実現するために、適切なツールを選択することが重要です。それぞれの利点や欠点を比較検討し、日報の効果を最大化するための適切なツールを見つけてください。
ツール | メリット | デメリット |
紙 | ・手書きで直感的に作成できる・電源不要・いつでもどこでも作成可能 | ・共有がむずかしい・検索が非効率・保管スペースが必要・ペーパーレス化の課題 |
メール | ・送受信が簡単・リアルタイムで共有可能・添付ファイルを利用可能 | ・日報以外のメールに埋もれる可能性・あて先が限定的・情報の整理と活用が手間 |
エクセル | ・データ入力が容易・無料テンプレートが豊富・自動計算やグラフ化が可能 | ・共有と管理がむずかしい・オフィスからしか送れないことがある・検索性と一覧性が低い |
日報管理システム | ・統一フォーマットで扱いやすい・テレワークに対応・効率的な共有が可能 | ・導入コストがかかる・セキュリティ対策が必要・インターネット接続が必要 |
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まとめ
日報は経営者や上司にとって企業の状況把握に欠かせない手段です。また、自身の振り返りと目標達成のための重要な道標でもあります。日報を通じて業務を客観的に見つめ、改善点を発見することによって、チーム全体の連携や成果にも大きく貢献できるでしょう。
日報作成には時間と手間がかかりますが、その努力は組織の透明性を高め、情報共有を円滑にします。さらに、ビジネスの効率化と業務改善につながるため、投資した時間とエネルギーは十分に報われるでしょう。
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