業務時間外の日報作成は残業になる!残業削減のための5つの対策

日々の業務報告や進捗状況の確認のため、日報を書くことを指示するケースは多いのではないでしょうか。しかし、勤務時間内に日報を書き終わらず、残業が発生してしまっているというケースも少なくないようです。

業務時間外の日報作成は、場合によっては、残業代支給の対象となります

この記事では、日報はいつ書くべきか、残業代を支払うべきケースや、残業削減のためのポイントについて詳しく解説します。

日報が残業扱いとなるかは曖昧になってしまいがちですが、思わぬトラブルにつながる可能性もあるため、早めに対処することが大切です。

日報は業務時間内か業務時間外、いつ書くべき?

「日報はいつ書くべきか?」と疑問に思っている従業員も少なくないようです。

日報をいつ書くべきなのかを考えたときにポイントとなるのが、「日報が業務か、業務ではないか」という点です。ここから詳しく見ていきましょう。

指示ではない場合や自主的な場合は「業務時間外」に書く

上司から「日報を書いた方がいいんじゃないか」と勧められはしたものの指示というほどでもない場合や、業務内容の振り返りのため自主的に日報を書いている場合は、業務ではないため、業務時間外に書くといいでしょう。

会社・上司からの指示なら「業務時間内」に書く

一方、会社や上司から日報の作成を指示されている場合は、「業務」となり、日報作成時間も労働時間として扱われます。つまり、業務時間内に書いてよいということになります。

業務時間外の日報作成の残業代について

ここからは、業務時間外に日報を作成する場合の残業代について、詳しく見ていきましょう。

会社・上司からの指示の場合は残業代の請求対象になる

厚生労働省岡山労働局が公表する「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、労働時間の考え方について以下のように記載しています。

労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たる。

出典:「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(厚生労働省岡山労働局)

会社や上司からの指示で日報を書く必要がある場合、日報の作成も業務とみなされるため、残業代の請求対象となります。

前もって「日報を書く時間は業務時間外である」と説明している場合や就業規則に記載されている場合などでも、客観的に見て労働時間と評価されれば、残業代を支払う必要があります。

労働基準法においては、残業代は1分単位で給与計算するのが原則です。法定労働時間(労働時間の上限。労働基準法によって1日8時間・週40時間と定められている)より1分でも長く働けば残業代が発生します。

なお、残業代は賃金が割増となります。

正社員・派遣社員・アルバイトでも扱いは同じ

残業代は、雇用関係にある場合、原則として契約形態を問わずに発生します。そのため、正社員・派遣社員・アルバイトでも残業の扱いは同じです。

日報を証拠に残業代を請求できた事例もある

過去には、日報を証拠に従業員が会社に対して残業代を請求できた事例もあります。

この事例では、従業員が日報に記載していた残業時間と給料明細に記載されていた残業時間が一致せず、「残業代が正確に支払われていないのではないか」と気付き、交渉の末、会社が従業員に対して未払いの残業代を支払うことで合意に至っています。

日報作成時間を残業とするか、企業と労働者の間では曖昧になってしまっていることもあるかもしれませんが、トラブルに発展する可能性も考えられるため仕組みを整えておく必要があるでしょう。

残業削減・業務時間外の日報作成を防ぐための5つの対策

日報は業務報告や進捗状況の確認、部下の成長や組織の生産性向上、業務改善などに活用できる大切な役割のあるツールです。

しかし、業務時間外の日報作成には残業代というコストが発生することや、残業かどうかが曖昧な状態で残業代が支払われていない場合は従業員が不満を募らせている可能性も考えられます。

本来であれば支払われるはずの残業代が支払われていない場合、将来的にトラブルに発展してしまう可能性もゼロではないため、そうならないよう前もって対策を行う必要があります。

ここからは、残業削減・業務時間外の日報作成を防ぐために考えられる対策をご紹介します。

業務時間内に日報作成のための時間を確保する

会社や上司からの指示、つまり「業務」の一つとして日報作成を部下に指示する場合は、基本的に労働時間として残業の対象になります。

日報の作成が業務に欠かせないのであれば、業務時間内に日報作成のための時間を確保することから始めましょう。

例えば、会社に入社したばかりの新入社員の場合、仕事に慣れることや覚えることに手一杯になってしまうケースも少なくありません。このような場合は、上司や先輩社員が日報作成のための時間確保をサポートするなどが有効でしょう。

また、部下自身の自己管理も重要です。業務時間内に効率的に業務を進めるためには、時間の使い方や優先順位のつけ方を工夫する必要があります。時間やスケジュール管理のスキルを身につければ、適切な日報作成時間の確保ができるだけでなく、本人の成長にもつながります。

日報の書き方を指導する

一般的に日報作成にかかる時間は10〜20分ほどとされていますが、適切な書き方を知らないと時間がかかってしまう場合があります。日報作成の効率化のために、必要に応じて日報の書き方について指導を行いましょう。

日報の書き方のポイントとしては、「日報を書く目的を伝え、理解させること」「日報の構成や書き方、必要な情報を伝えること」が大切です。

日報を書く目的を理解していないと、作成に余計な時間がかかったり、内容が薄くなってしまったりします。日報の重要性がわかれば、「日報を書くのが面倒、日報を書くなんて無意味」と感じることなく、しっかりした目的意識を持って作成に取り組めるでしょう。

次に、日報の構成や書き方について指導します。例えば、進捗状況や達成した成果、課題や問題点、今後の予定などを明確に記述することが求められます。具体的な数字やデータ、具体例を交えることで報告の質を高めることも効果的です。

また、日報は確認とフィードバックもセットであると考えます。確認作業をスムーズに進めるため、簡潔でわかりやすい内容にすることも大切です。冗長な表現や余計な情報は避け、要点を的確に伝える内容にするよう、指導しましょう。

新人社員には、具体的な日報の書き方の例を見せるとわかりやすいでしょう。

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日報作成のルールを作っておく

書き方の指導と合わせて、日報作成に関するルールやガイドラインを作っておくと、効率的な日報運用につながります。明確なルールを作っておくことで日報作成がスムーズになり、内容の一貫性も確保しやすくなるでしょう。

以下は、ルール作成時のポイントです。

  • 日報の提出期限を決めておく(残業を避けたい場合、業務時間内に書いて退勤後に提出するなど)
  • 日報に記入する内容・項目を決めておく
  • 日報作成のルールを作ったら、社内に周知・教育を行う

日報に記入する内容や項目については、必要最低限の項目を定めつつ、ある程度の柔軟性を持たせることも大切です。

日報のフォーマットやテンプレートを用意する

日報に決まったフォーマットや項目がないと、作成に時間がかかってしまうことがあります。

必要な項目や書式が組み込まれた日報のフォーマットやテンプレートを用意しておくと、それに沿って情報を入力するだけでよく、手間がかかりません。

日報に書く必要項目は大きく分けると、事実に基づいた「業務内容」と、自分の気づきなどを含めた「所感」の2つです。この2つをもとに、自社に合った必要項目を含めたフォーマットを作成しましょう。

日報管理システムを導入する

「紙の日報を書いている」「オフィスに戻らないと日報が書けない」など、日報を書く環境が整っていない場合、そもそも日報の作成自体に時間を取られてしまいがちになります。

このような状況の改善には、日報管理システムの導入が有効です。日報管理システムとは、日報の作成や提出、確認、集計などをオンライン上で簡単に行えるシステムのことを指します。

手作業での日報作成や紙ベースの管理は、どうしても時間と手間がかかります。日報管理システムの活用によって日報をデジタル化すれば、入力や修正が容易になり、インターネット環境があればどこでも日報作成・管理ができるようになります。

近年、多くの企業が実施しているテレワークやリモートワークでは管理者の目が届かず、稼働量などの管理が難しくなります。日報管理システムを導入すれば、日報提出で自動的に出社の管理ができ、人ごと・チームごと・プロジェクトごとなど目的に合わせて便利に稼働量を確認可能です。

上司やチームメンバーとの連携やフィードバックも円滑に行えるようになるため、日報のさらなる有効活用につながるでしょう。

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まとめ

会社の指示によって業務として日報を作成する場合、業務時間外の日報作成は、残業扱いとなります。日報作成のための環境や仕組みが整っていないと、無駄な残業の発生につながってしまう可能性があるため注意しましょう。

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