
営業職は、基本的に個人で活動することが多い職種です。そのため、各個人が「その日一日どのように活動したか」把握するには営業日報が欠かせません。
しかし、営業活動以外の業務に時間を割く必要性が分からない方もいるでしょう。今回は、営業担当と上司それぞれの立場から見た営業日報を書く目的や、書き方のポイントを紹介します。
きちんと営業日報を作成し、自身や組織の成長につなげましょう。

営業日報を書く目的

営業活動の時間以外で、なぜ営業日報を書かなければいけないのでしょうか。まずは、営業日報を書く目的から解説します。
営業日報とは
営業日報とは、営業担当者が「その日一日どのような活動をしたか」を社内で共有するために作成する書類のことです。営業担当者は基本的に社外で個人活動をすることが多いため、業務内容を把握しにくいといえます。そのため、営業日報を通し、活動の記録を残すのです。営業日報の書式や記載項目は企業によって異なります。
営業担当の目的
営業担当の営業日報を書く目的は、大きく3つ挙げられます。
- その日の業務(稼働)の証拠になる
- 自身の振り返りができる
- 組織に情報共有ができる
日報と聞くと、ただ「その日の報告をするだけのもの」と捉えてしまう方もいるかもしれませんが、正確にはその日の結果をもとに情報を整理し、明日以降のアクションにつなげるものです。また、管理者(上司)に「どう行動して今日の結果に至ったか」報告するものでもあります。
管理者(上司)の目的
管理者(上司)の営業日報を書く目的は、大きく3つ挙げられます。
- 営業担当者の業務管理をする
- 営業担当者へのフィードバック(アドバイス)に役立てる
- 営業担当者からの情報をもとに営業戦略を立てる
営業担当者の書いた営業日報は、管理者へ提出されます。管理者は提出された日報を基に、「部下がどのように稼働しているか」「改善点はどこか」をチェックするのが仕事です。困っていたり成績が伸び悩んでいたりする部下へは、適宜アドバイスを行いましょう。
営業日報を書くメリット

営業日報を書くメリットは大きく5つあります。メリットを理解してから営業日報を書くと、より充実した内容になるでしょう。
従業員の強みと弱みを把握できる
営業職の管理者となると自身で現場に赴くことは少なくなるため、得られる情報が限られます。しかし、営業はその時々のニーズに合わせて変化する必要があるため、限られた情報の中だけで営業戦略を考えるのは困難です。
営業日報によって、日々の現場での情報を得られます。リアルなお客様のニーズや営業担当者の目線が分かれば、競合他社より何が優れていて何が弱いのか検討しやすくなるため、より良い営業戦略を練れるでしょう。
営業成績以外の評価ができる
企業によって形は異なれど、営業職は「数字」で目標が定められているのが一般的です。しかし、数字だけでは見えてこない営業担当者の努力や成果も中にはあります。例えば、短期的には数字の上がらない従業員がいたとしても、日々の地道な活動から長期的な成果を上げることは十分にあり得るのです。営業日報を通し、日々どのような活動をしたか報告しておけば、数字だけでは分からない担当者の努力も正当に評価できます。
PDCAサイクルを効率化できる
PDCAとは、「Plan・Do・Check・Action」の頭文字をとったものです。
以下に営業職でのPDCAサイクルの一例を紹介します。
Plan(計画):1日に 「○件商談する」「○件訪問する」と目標を立てる
Do(実行):目標を実現するため、具体的な方法を検討し実行する
Check (評価):実行してみた成果を振り返り、達成度を評価する
Action (改善):目標に届かなかった点を次回以降どのように達成させるか再検討する
PDCAサイクルをうまく回すには、営業日報を書いて自身の振り返りや目標を設定することが重要です。
情報の蓄積ができる
営業担当者は個々人で活動することが多く、その日経験したことや知り得た情報は、個人でしか活用できません。しかし、営業日報があればその経験は組織として共有できます。個人だけでは得られなかった情報も、営業担当者全員のものが集まれば、その分「組織の情報」として蓄積可能です。
また、自分以外の担当者が得た情報によって、自身の営業がうまくいく可能性も高まるでしょう。情報の蓄積は、営業職にとって大きなメリットといえます。
情報共有が活発になる
営業日報を通して、管理者(上司)と営業担当者間でのコミュニケーションが活発になります。困っていたり伸び悩んでいたりする担当者がいた場合、上司からアドバイスを受けられる他、担当者同士での情報交換が可能です。
日ごろの営業活動をおのおのが確認すれば、スキルの属人化を防止でき、組織全体での成長ができます。営業日報を通した情報共有は、日々個人で活動することが多い営業職こそ必要といえます。
営業日報の書き方

ここでは、営業日報の書き方を6ステップに分けて解説します。何を書けばよいか分からないという方をはじめ、きちんと理解している方も改めて確認していきましょう。
1.目標の記入
まずは、一日の目標を記載します。目標を決める際、曖昧な表現は避け、「○件訪問する」「○件契約する」など具体的な数値で記載するのがポイントです。目標が具体的であるほど、終業時に一日の振り返りがしやすくなります。また、誰が見ても「目標が達成できたかどうか」分かる点も重要です。営業日報を共有した際に「何が原因で目標を達成できたか(できなかったか)」といったアドバイスをもらいやすくなるでしょう。
2.業務実績の記入
続いて、一日の営業内容を記載します。目標と同様に具体的な数値で書くと分かりやすくなります。またその日に何をしたのか、とった行動を具体的に書くと良いでしょう。文章にも気を配る必要があります。できる限り相手(上司や管理者)が「読んだだけで状況が分かる」表現で書いてください。
そのため、一文一文が長く読みづらくなってしまったり、意味が分かりにくい曖昧な表現になったりしないようにしましょう。
3.一日のスケジュールの記入
タイムマネジメントをしっかりと行い、短時間でより良いパフォーマンスを発揮するために、一日のスケジュールを記載します。結果が出ていても時間をかけすぎていたのでは、良い営業活動とはいえません。余分な時間がないか振り返るためにも、スケジュールの把握は重要です。
「○時〜×時△△社訪問」というようにスケジュールを記載することで、いつ・どのような活動に・どの程度の時間をかけたのか把握できます。
4.成果の記入
目標に対しどうだったか、業務実績と沿うように具体的な数値で一日の営業成果を記載します。例としては、「○件契約した」「○件アポイントを獲得した」といった形が挙げられます。数値として記載することで、誰が見ても評価が分かれない営業日報となり、最適なフィードバックが得られるでしょう。
5.反省の記入
一日の反省を記載します。悪かった点だけでなく、良かった点も含め、なるべく多くの内容を共有しましょう。小さな気付きが次の良いアクションにつながることもあり、管理者(上司)から具体的なアドバイスを得ることにもつながるからです。反省を具体的に書くことは、より良い営業活動への第一歩といえます。
6.明日の目標の記入
一日の振り返りをしたら、反省を基に明日の目標を記載します。前日に目標を立てておくことで、翌日の時間をフルで有効に活用可能です。また、当日の反省や成果から目標を立てることで、今日より明日・明日より明後日へと営業成果を伸ばせます。日々前日の反省をクリアしていけば、達成感をや自信につながります。
営業日報を書くポイント(営業担当者向け)

営業日報には、書き方のポイントがあります。ここでは、営業担当者向けのポイントを4つチェックしましょう。
時間をかけすぎず簡潔にまとめる
営業日報は、一文を短く簡潔にまとめましょう。情報が整理されるため、振り返った時に内容を思い出しやすくなります。また、重要な事項や結論から書き始めるのもポイントです。結論以外で必要な内容は、それ以降で補足します。
営業日報はあくまで報告書です。あまり記入に時間をかけないようにしましょう。
顧客情報を記載する
応対した時の会話や態度など、顧客の情報を詳しく記載しておきます。「○○が趣味」「××が好き」といった些細なことでも、後々の会話で役立つ可能性があるからです。また、顧客情報を記載しておくことで、担当が変わった場合の引継ぎを短期間で行えます。どういった顧客か知ることで、管理者から具体的なアドバイスももらいやすくなるでしょう。
事実と主観を分け具体的に記載する
営業日報は、自身だけでなく社内で共有するものです。誰が見ても「事実」と「主観」が分かるように記載しましょう。曖昧な表現で事実と主観が混在してしまうと、管理者は正確な情報がつかめません。日報としての意義も薄くなってしまいます。管理者から具体的かつ正確なアドバイスをもらうためにも、「事実ベース」で記載することが肝心です。
PDCAサイクルを意識して次の行動も記載する
営業日報は、ただ「その日あった出来事」を羅列しても意味がありません。PDCAサイクルを意識して書くことが重要です。特に日報は、CheckとActionにあたる「反省」と「明日の目標」を意識しましょう。「今日の活動はどう改善すべきか」「明日へどう生かすのか」を考えることで、自身の成長につながります。また、管理者も営業担当者が「何を意識して稼働しているか」把握しやすくなり、連携強化にもなります。
営業日報をチェックするポイント(管理者向け)

次に、管理者視点で営業日報をチェックするポイントを解説します。管理者(上司)がきちんと日報をチェックすることで、営業担当者も日報を書くモチベーションが保てるため、ぜひ実践してみましょう。
営業日報を書く目的を周知させる
目的や意味が分からないものは、やりたくなくなるものです。営業担当者にしっかりと営業日報を書いてもらうためには、まず「なぜ営業日報を書くのか」を周知することが重要です。きちんと周知させることで、営業担当者も質の良い営業日報を書けるようになります。担当者がPDCAサイクルをしっかり回せるようになるためにも、「何を意識して書くものか」「どうして営業日報を書く必要があるのか」を理解してもらう必要があります。
書く内容を統一する
営業日報を作成する際は、必ずフォーマットを統一しましょう。誰が作っても同じ営業日報にならないと、管理に時間もかかる上、情報共有がしにくくなります。本来営業日報のメリットとなるはずの部分がデメリットとなってしまうため、一定のルールに則してフォーマットを設定することが重要です。また、フォーマットを初めから統一しておけば、人事に変更が出た場合でも混乱を避けられるため、仕事の属人化を防げます。
フィードバックの機会をつくる
管理者としては、フィードバックの機会を設けることも重要です。フィードバックの機会があるということは、きちんと日報を読んでいることになります。営業担当者にもそれが伝われば、営業日報を書く必要性も理解されやすくなります。また、悩みや困りごとがある営業担当者は、具体的なアドバイスを求めています。なるべくコミュニケーションをとって、相談に乗ったりアドバイスを与えたりすることが重要です。
営業日報をもとに行動を改善させる
営業日報には具体的な数値だけでなく、どのようなスケジュールで稼働したかや、どのような目的・課題を持っているかも記載されています。営業担当者本人が気付いていなくても、時間をかけすぎていたり目的や課題がずれていたりすることは少なくありません。そのため、管理者は日報をチェックし、そのような問題点を指摘していく必要があります。営業担当者それぞれに良い点と悪い点はあるため、情報を管理して全体が成長できるよう働きかけましょう。
ツールを活用する
営業日報を書く場所が限られていたり、日報を書くためだけに帰社したりしなければいけない場合、日報を書くのが億劫になってしまう営業担当者もいるでしょう。また、紙を使用した日報の場合はコストや管理の手間もかかります。なるべく時間もコストもかけずに営業日報を書くなら、日報管理ツールの使用がおすすめです。
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日報管理ツールの導入により、営業効率と営業利益が大幅にアップした企業の事例はこちらの記事で紹介しております。
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まとめ
営業日報とは、基本的に社外で個人活動をすることが多い営業職にとって、稼働の記録となる重要な書類です。また、管理者(上司)にとっても自社の強みや弱みを知れる情報資産といえます。営業活動でのPDCAサイクルをきちんと回し成果につなげるためには、営業日報を書く目的を意識し日々の行動に取り入れることが重要です。
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