
作業日報とは、日々の作業内容を報告するための書類です。土木・公共工事の建設現場で作業日報を活用することで、生産性の向上や労務管理、人件費の適正化などを図ることができます。
この記事では、土木工事で作業日報を作成するメリットと書き方を中心に解説します。
- 工事日報の作成がおろそかになり、現場の状況がわからない
- 工事日報を作成したいが、どのような項目を記載すればいいのかわからない
- 専用のテンプレートを使ってミスなく工事日報を作成したい
そんな方は、この記事を読めば、土木業界における工事日報のメリットや必要な項目がわかり、ミスなくスムーズに日報を作成できるようになります。

作業日報とは?

作業日報は、日々の作業内容を報告するための書類です。その日の作業内容や『ヒヤリ・ハット』を上司や他の社員に報告し、進捗状況を共有したり、アドバイスを受けたりすることが目的です。
また、従業員自身が1日の業務を振り返ることで、自身の成長や業務効率の向上にも役立ちます。作業日報にはさまざまなフォーマット・様式があり、業種や業態に合わせて選ぶのが一般的です。
例えば、営業職と事務職では主な業務内容が異なるため、最適な作業日報のフォーマットも異なります。
一般的な作業日報の項目例を以下に示します。
- 日付
- 作業者名
- 作業現場の名称
- 天候情報
- 気温
- 作業時間(始業時刻・終業時刻・休憩時刻・勤務時間・残業時間)
- 作業内容
- 勤務内容
- 特記事項
上記の項目は一般的な作業日報の例ですが、必要に応じて項目を追加・削除し、業務や現場の要件に合わせてカスタマイズすることができます。
作業日報がもたらすメリットとは

作業日報は、現場での作業内容を記録するだけでなく、さまざまなメリットをもたらすツールです。特に土木工事の現場では、人材不足や長時間労働などの問題を解決するためにも作業日報の活用は重要です。
作業日報によって得られるメリットには、以下のようなものがあります。
現場での情報共有
日報を活用することで、現場でのコミュニケーションが円滑になります。現場には多くのスタッフが関わっていますが、作業日報を通じて作業内容や進捗状況を共有することで、お互いの理解が深まりやすくなります。
現場の生産性向上
作業日報は現場の生産性を向上させます。作業日報で報告された内容をもとに、上司は作業改善や効率化のためのアドバイスを与えたり、現場からのフィードバックを受けることができます。また、作業日報を通じてスタッフ間で情報を共有することで、無駄な時間や手間を省くことも可能になります。
現場でのトラブル防止
作業日報は現場でのトラブルを未然に防ぎます。現場では、天候や設備などの不測の事態によって、工期の遅れや品質の低下を招くことがあります。作業日報を活用することで、監督者と綿密なコミュニケーションを図り、適切な工期管理と品質管理を実現できるでしょう。
また、作業日報でヒヤリハットやトラブルを報告することで、作業中の事故やトラブルを未然に防げるようになります。
現場での労務管理
作業日報は現場の労務管理をサポートします。建設現場では、長時間労働や休日出勤などの過重労働が問題となっています。作業日報に労働時間や休憩時間を記録することで、労働時間の把握・管理が容易になるのです。
また、作業日報により生産性を向上させることで、残業時間の削減や休暇取得の促進にも貢献します。
現場の人件費最適化
作業日報は現場の人件費適正化にも有効です。現場では人員配置や人員配置が重要ですが、作業日報には作業内容や結果が記録されているため、人員の必要性や適正を判断することができます。
また、作業日報を活用することで、怠慢や不正の発見・防止にもつながります。
\工数管理もできる日報ツール/
土木工事現場でのわかりやすい作業日報の書き方とは?

作業日報は読みやすさがとても大切です。必要な情報は簡潔明瞭に、見出しや箇条書きで読みやすくしましょう。
目標と目的
建設現場は、完成までに何日もかかることがあり、その間、さまざまな作業が行われます。そのため、全体のスケジュールを把握し、それに応じた作業計画を立てるためには、日々の進捗管理が重要です。単に『完了した』『完了していない』だけではなく、その日に設定した具体的な目標や作業を明確に記録することで、完成に向けた進捗状況をより詳細に把握することができます。
そうすることで、具体的なタスクの完了度合いや残務量を具体的に把握することができ、必要な対策を講じることが可能になるでしょう。
また、目標が達成できなかった場合、その原因や理由を深く追究することで、問題点や改善点が明確になります。このような対策は、作業者自身のスキルや知識の向上、作業効率の改善にもつながります。例えば、ある作業に時間がかかりすぎているのであれば、作業方法の見直しや新技術の導入が必要かもしれません。
こうした情報は作業日報を通じて明らかになり、職場や作業員のスキル向上に役立っています。
作業内容と結果
作業日報を作成する際、管理者が最も見たいのは、その日の作業内容とその結果・成果です。これらの要素がわかりにくい作業日報では、本来の業務の役割や状況が明確に報告されません。
業務の内容や成果を明確にするためには、各時間帯に実施した業務内容や進捗状況が具体的に示されている作業日報を選択することが推奨されます。
特に、以下の要素を具体的に記載することが望まれます。
- 予定された作業が完了したかどうか
- 作業上の問題
予定された作業が完了したかどうか
予定された作業がすべて完了したかどうか、完了していない場合はどの程度完了したか完了した割合(50%完了、80%完了など)を記します。
また、計画された作業が完了していない場合、完了までに必要な時間を見積もり、明示しなければなりません。
これらの要素を明記することで、作業日報は管理者にその日の作業内容と結果を具体的に伝えます。
このような作業日報により、マネジャーは適切な判断を下し、プロジェクトを効果的に管理することができます。
作業上の問題
一つの建設現場でも様々な問題が発生します。その中には些細な問題や、管理者が気づかないような問題も含まれることでしょう。
これらの問題は、作業の効率や質に影響を与え、作業員のストレスを増大させます。作業日報は、こうした問題を明確に把握し、共有するための重要なツールです。
現場で作業員が遭遇した問題や困難を詳細に記録することで、それらの問題を把握し、解決策を模索することが可能になります。
また、作業員のストレスが軽減され、スムーズな作業進行に貢献することでしょう。
さらに、作業日報を通じて問題点が明確になることで、現場全体の問題意識が統一され、全員できめ細かい提案ができるようにもなります。
その結果、現場環境が改善されて作業員が仕事をしやすくなるため、作業効率や品質が向上し、プロジェクト全体の成功に貢献します。
\業界最安値の日報システム/
土木工事の建設現場における作業日報活用の留意点

作業日報を活用する際の留意点は以下の通りです。
- 情報の共有
- 情報の省略
- 安全対策
それぞれ詳しく解説します。
情報の共有
作業日報を作成する際には、必ず情報を共有しましょう。多くの会社では、作業日報の担当者を新たに決めています。
一人で日報を作成・管理し、他の社員や上司と共有することを忘れているケースがよくあります。
共有しないと、職人さんがどこで何を作業しているのかわからず、建設現場がスムーズに回らなくなりますので、情報はしっかりと共有しましょう。
情報共有の方法としておすすめなのは、クラウド上に情報を保存し、特定の人だけでなく複数人で閲覧・編集できるようにすることです。
作業日報の担当者が体調不良などで現場を離れていても、他の人が閲覧・編集できるので問題ありません。
記入漏れ
作業日報の記入漏れは人件費に影響します。人件費は、会社の締め日の作業日報をもとに計算されます。
記入漏れがあると正しい計算ができないため、どの日の作業忘れかを調べる必要があります。
こうした作業には手間と時間がかかりますので、必ず作業日報を確認し、記入漏れがないようにしましょう。
安全対策
作業日報を作成する上で、セキュリティ上の安全対策は欠かせません。作業日報は、作業時間や作業内容によってその人の給料(日給)が決まる、大切な記録です。
ありがちなミスですが、作業現場のパソコン画面で日報のページを開きっぱなしにしないように気をつけましょう。
\日報ツールの導入事例を紹介!/
こちらの記事では、工数管理もできる『業務管理システム 日報くん』の導入により、人工計算が自動化できた建設会社の事例を紹介しています。

建設・工事現場で使える作業日報作成ツール

デジタルメディアの作業日報にはいくつかの種類があります。ここでは、ワードやエクセルで作成する作業日報と作業日報専用のアプリケーション(システム)に分けて説明します。
ワード・エクセル
ほとんどの業務用パソコンには、ワードやエクセルがインストールされています。
つまり、ワードやエクセルの業務日誌は、特別なソフトを購入したり、サービスに加入したりしなくても、簡単に使えるデジタル業務日誌なのです。
ワードやエクセルは、特別な教育を受けなくても、多くの社員が使うことができます。
項目の追加や削除も柔軟に行えますし、自分でフォーマットを作るのが難しくても、インターネット上にはたくさんのテンプレートが公開されています。
ほとんどのテンプレートは『無料』なので、まずは試してみるのが良いでしょう。
作業日報アプリ
デジタル日報をより効率的に作成・活用できるのが、作業日報アプリです。
SNSのような機能を持つもの、スマートフォンやタブレットから利用できるものなど、各社独自の特徴を持ったサービスを提供しています。
そのため、自社のニーズや好みに合わせて選べるのは大きなメリットです。
ただし、注意点はシステムの購入が必要(買い切り型か月額制)であること、ワードやエクセルと異なり『使い方の習得』が必要であることなどが挙げられます。
その分、使いこなせれば作業日報の作成・活用の手間を大幅に削減することができます。
『ワードやエクセルの作業日報では物足りない』『作業日報の作成・活用をさらに効率化したい』という方は、作業日報システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
作業日報アプリを選ぶ際のチェックポイント

ここでは、自社に合ったアプリケーションを選ぶために、作業日報アプリを選ぶ際の3つのポイントをご紹介します。
必要な機能を備えているか
作業日報アプリを選ぶ際には、自社に必要な機能が備わっているかを確認することが大切です。
アプリの種類によっては、勤務日報にしか対応していないものもあれば、勤怠管理や経費管理などの機能が搭載されているものもあります。
現在利用しているツールでカバーできる機能の範囲を確認しておくことで、アプリケーションを導入する際にスムーズな選定ができるでしょう。
機能について詳しく知りたい方は、それぞれのアプリの公式サイトをご覧になることをおすすめします。
使いやすい価格設定になっているか
多くの作業日報アプリは、初期費用や継続費用がかかる傾向にあります。どれくらいの予算がかけられるか明確にしておくと、導入するアプリケーションを絞り込むことができます。
日報アプリケーションを導入する際には、ユーザー数とアプリケーションの容量も考慮する必要があります。
アプリケーションによってはユーザー数や容量に制限があるものもありますので、思わぬ出費が発生しないよう注意が必要です。
使い勝手はよいか
作業日報アプリケーションを選ぶ際には、使いやすさもチェックしましょう。機能が豊富で優れたアプリケーションであっても、使い勝手が悪ければ業務の進行に支障をきたす可能性があります。
作業日報を利用するすべての人が使いやすく、操作しやすいアプリケーションを選ぶことが、作業日報のスムーズな進行につながります。
まとめ
この記事では、土木工事現場での作業日報のメリットと書き方を中心に解説しました。作業日報は、現場での情報共有や生産性向上、トラブル防止、労務管理、人件費最適化などに役立つツールです。
作業日報をデジタル化することで、さらに効率的に活用することができます。アプリを利用する場合には、必要な機能や価格設定、使い勝手などをチェックして自社に合ったものを選ぶようにしましょう。
1人あたり44円(税込)/月~利用できる『業務管理システム 日報くん』なら、スマートフォンやタブレットから簡単に作業日報を作成・送信・閲覧できるため、作業日報の提出のために事務所に戻る必要もなくなります。
プルダウン式で簡単に入力できるため、忙しい作業現場でも5分程度で日報作成が完了します。
また、『 日報くん』はクラウド上にデータを保存するので、紙の日報よりも安全に管理できるのが特徴です。管理役や保管場所の確保が必要なくなり、紛失やデータ入力ミスによる損失防止にも繋がります。
「うちの会社はちょっと特殊だから…」「ITとか詳しい人いないんだよな…」
という会社は、まずは個別オンライン説明会にご参加ください!(無料)
日報くんの説明はもちろん、貴社にあった使い方をご提案いたします。
\工数管理もできる日報ツール/
