上司の言動やマネジメントの仕方は、職場の雰囲気やチームの成果に大きな影響を与えます。たとえば、部下に対して感情的に接する上司がいると、チーム全体の士気が下がり、離職率の上昇や生産性の低下を招きかねません。
このような点から、ダメな上司の特徴を理解しておくことで、自身の言動を客観的に振り返り、より良いマネジメントにつなげられます。
ただし、管理職としてどう振る舞うべきかを知るためには、「悪い例」だけでなく、本来求められる役割や能力もおさえておくことが欠かせません。
本記事では、ダメな管理職の特徴について、求められる役割や能力も交えて解説します。
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自己中心的でダメな管理職の特徴
管理職には自分の立場や評価よりも、チーム全体の成果を優先し、部下の状況に目を配る姿勢が求められます。
しかし、なかには自分の都合や評価を最優先にし、周囲への配慮が欠けている「自己中心的なタイプ」の管理職も少なくありません。
このタイプの管理職のもとでは、チーム内の連携や情報共有がうまく機能せず、業務の停滞やメンバーの離職につながるリスクが高まります。
ここでは、自己中心的なダメな管理職の特徴について、以下の5点を解説します。
①部下の状況を考えずに仕事を振る
部下の状況を考えずに仕事を振ると、特定のメンバーに負荷が偏り、疲弊や不満が蓄積されやすくなります。この状態が続くと、チーム内で「相談しても無駄だ」という空気が生まれ、「報告・連絡・相談」が減少する原因にもなりかねません。
こうした事態を防ぐためにも、仕事を振る前に部下の業務量や優先度を確認し、負荷が偏らないよう調整することが大切です。
②自分の成果ばかりをアピールする
管理職がチームの成果を自分の手柄として上層部に報告すると、実際に貢献した部下のモチベーションが大きく低下します。「頑張っても評価されない」と感じた部下は、積極的に業務に取り組む意欲を失いかねません。
チームの士気を保つためには、成果を報告する際は、貢献したメンバーの名前を具体的に挙げ、上司にも誰の功績なのかを伝える姿勢が大切です。
③相手によって態度が違う
上司や取引先には丁寧に接する一方で、部下に対しては横柄な態度を取る管理職は、チーム内に不公平感を生む存在です。こうした態度の使い分けは、部下からの信頼を著しく損ないます。
上記を踏まえて、協力体制を維持するためにも、相手の立場にかかわらず一貫した態度で接し、公平さを意識して振る舞うことが大切です。
④感情的な態度が多い
業務上の指摘やフィードバックの場面で感情的になると、部下は萎縮し、自由に意見を述べにくくなります。とくに、怒りの感情をそのままぶつけてしまう管理職のもとでは、部下は安心して働けません。
このようなことから、部下との信頼関係を維持するためにも、冷静な状態で事実ベースでフィードバックする習慣が欠かせません。
⑤企業理念を理解して行動しない
企業理念を理解せずに自分の判断基準だけで行動する管理職がいると、チームの方向性が組織全体の方針とズレるおそれがあります。部下も「何を基準に動けばよいのか」がわからず、業務の優先順位に迷う場面が増えかねません。
チームの方向性を統一するためにも、企業理念や経営方針を定期的に確認し、自身の判断基準と照らし合わせる習慣をもちましょう。
責任逃避をするダメな管理職の特徴
管理職には、チームの成果やトラブルに対して責任をもって対応する役割が求められます。
ただ、現実的には、責任感を十分に持ち合わせていない管理職も少なくありません。
責任から逃れる管理職のもとでは、トラブルが発生しても迅速に解決できず、問題が長期化しやすくなります。加えて、部下が「上司に頼れない」と感じることで、チームの結束力が弱まるリスクも生じるでしょう。
ここでは、責任逃避をするダメな管理職の特徴について、以下の5点を解説します。
①自信がなく決断しない
管理職が判断を先延ばしにすると、部下は次の行動に移れず、業務全体のスピードが低下します。とくに、期限のある案件で決断が遅れると、チーム全体の成果に直結する損失が発生しかねません。
この点から、チームの業務を停滞させないためにも、判断に迷う場面では期限を決めて情報を整理し、根拠をもとに決断する姿勢が求められます。
②トラブル時にサポートしない
トラブルが発生した際に部下を放置し、自らは関与しない管理職の下では、部下の精神的な負担が増大します。そして、「助けてもらえない」という経験が積み重なると、信頼関係が薄れ、部下が離職する原因にもなりかねません。
上記を踏まえて、部下の安心感を守るためにも、トラブルが発生した際は状況を一緒に整理し、解決に向けて具体的なサポートをおこなうことが大切です。
③具体的な指示を避ける
「適当にやっておいて」や「任せるから」などの曖昧な指示をおこなう管理職のもとでは、部下が誤った業務をおこなうリスクがあります。結果として、やり直しや手戻りが頻発し、チーム全体の生産性低下を招きかねません。
このようなやり直しや手戻りを減らすためにも、業務を依頼する際は「何を・いつまでに・どの水準で」を明確に伝え、部下が迷わず動ける状態を作りましょう。
④部下の仕事の進捗を把握しない
管理職が部下の進捗を定期的に確認していれば、問題の早期発見や軌道修正がしやすくなり、トラブルを事前に抑えられます。
しかし、ダメな管理職は進捗確認を怠り、後からトラブルが発覚する事態を招きかねません。
こうした状況を防ぐためにも、週次の進捗確認や短時間のミーティングなど、定期的に状況を把握する仕組みを取り入れてみてください。
⑤職場の環境改善をおこなわない
本来、管理職が職場環境の課題に気付き、率先して改善に動くことで、業務効率の向上やストレスの軽減につながります。
しかし、ダメな管理職は現場の不便さや非効率に気付いても放置してしまい、部下の不満が蓄積される原因を作りかねません。
こうした状態を防ぐためにも、現場の声を定期的にヒアリングし、小さな改善から着手することが大切です。
過干渉でダメな管理職の特徴
管理職の役割には、部下に仕事を任せながらチーム全体の成果を高めることが含まれます。
しかし、部下の立場からすると、上司に細かく管理されすぎると「信頼されていない」と感じる方も少なくありません。
管理職本人は丁寧にフォローしているつもりでも、過度な関与は部下の自主性を奪い、成長の機会を狭める結果になってしまいます。
ここでは、過干渉なダメな管理職の特徴について、以下の5点を解説します。
①ルールを細かく作りすぎる
過干渉な管理職は、業務の進め方を細部まで規定し、部下が自分で判断する余地をなくしてしまいがちです。その結果、チーム内に「言われたことだけやればいい」という受け身の姿勢が定着し、自発性が失われてしまいます。
こうした状態を避けるためにも、ルールは品質や安全を守る最低限の範囲にとどめ、具体的な進め方は部下に委ねることが大切です。
②部下に判断を任せない
些細な業務でも管理職の承認がなければ進められない状態は、業務スピードを大幅に低下させます。また、部下が「自分は信頼されていない」と感じてしまいかねず、自主性を妨げかねません。
部下の成長を促す目的として、影響範囲が小さい案件から判断を任せ、結果をフィードバックすることを意識しましょう。
③部下の仕事に手を出す
部下に任せた業務を途中で引き取ったり、勝手に修正したりする管理職がいると、部下は達成感を抱きにくくなります。「結局は上司がやるのだから」という意識が広がり、自身で業務をおこなう必要性を感じないおそれもあります。
このことから、任せた仕事には途中で手を出さず、完了後にフィードバックで品質を高める流れを意識することが大切です。
④必要以上の報告を求める
頻繁に進捗報告や確認が必要な職場では、部下は報告作業に時間を取られ、本来の業務に集中しにくくなります。こうした状況では、報告のための作業が増え、かえって生産性が下がるケースも少なくありません。
業務効率を下げないためにも、報告の頻度や粒度はプロジェクトの規模に応じて設定し、過剰な確認作業を減らす工夫が求められます。業務報告は記入がラクな日報ツールを使うと、適切な温度感で業務報告を義務化できるでしょう。
⑤部下のミスを必要以上に追及する
ミスが発生した際に原因究明の範囲を超えて執拗に追及すると、部下は失敗を恐れて挑戦を避けるようになります。「ミスをしたら責められる」という心理が定着すると、報告そのものを避ける傾向が生まれかねません。
上記から、追及は原因の特定と再発防止策の策定にとどめることが大切です。
コミュニケーションが不足しているダメな管理職の特徴
管理職には部下とのコミュニケーションを通じてチームをまとめ、業務を円滑に進める役割が求められます。
しかし、「業務の指示さえ正確に出していれば問題ない」と考え、日常的な会話や情報共有をおろそかにしている管理職も少なくありません。
こうした状態が続くと、認識のズレや伝達漏れが頻発し、部下が孤立感を抱える原因にもなってしまいます。
ここでは、ダメな管理職の特徴について、コミュニケーション不足の観点から以下の5点を解説します。
①フィードバックの場を作らない
フィードバックの機会を設けない管理職がいるチームは、部下が自分の業務が正しいのかを判断しにくくなります。評価の基準もわからないまま業務を続けることになり、成長の機会を逃しかねません。
このことから、管理職は月1回の1対1でのミーティングや、業務完了後の振り返りなど、フィードバックの場を定期的に設ける必要があります。
②部下との会話を避ける
日常的な会話や雑談を避ける管理職のもとでは、部下が相談や報告をしづらい雰囲気が生まれます。結果として、小さな問題が放置され、大きなトラブルに発展するリスクが高まります。
相談しやすい雰囲気を作る目的として、業務連絡に限らず、日常的な声かけや短い雑談を通じて接点を増やす意識が大切です。
③他部署・社外とコミュニケーションを取らない
管理職が他部署や社外との連携を怠ると、チームが孤立し、必要な情報やリソースを得られなくなります。なかでも、部署間の調整が求められる場面では、管理職の橋渡し役としての機能が不可欠です。
この点を踏まえ、管理職が他部署の会議やプロジェクトに積極的に関わり、情報交換の機会を作ることが大切です。結果として、チームが必要とする情報を確実に手に入れやすくなります。
④チーム内で情報共有をおこなわない
管理職は、経営方針の変更やプロジェクトの進捗など、チームに関わる情報を共有する必要があります。
しかし、管理職が情報共有を怠ると、部下は業務の判断に必要な材料を得られず、チーム内の不信感や混乱を招きやすくなります。
このことから、経営方針の変更やプロジェクトの進捗は、朝礼やチャットツールを活用してこまめに共有しましょう。
⑤部下のモチベーション維持をおこなわない
部下の努力や成果に対して関心を示さない管理職がいると、チーム内で「どれだけ頑張っても評価されない」という意識が広がります。モチベーションが低下した状態では、業務の質やスピードにも悪影響が及びかねません。
部下のモチベーションを保つためにも、日頃から部下の成果や努力に対して具体的な言葉で認め、評価することが大切です。
管理職に求められる3つの役割
ダメな管理職の行動を避けるには、管理職が本来どのような役割を果たすべきかを知っておく必要があります。役割を正しく理解しておけば、日々のマネジメントで何を優先すべきかが明確になり、チームを正しい方向に導きやすくなります。
管理職としての土台を固めるためにも、まずは求められる役割をおさえておくことが欠かせません。
ここでは、管理職に求められる役割について、以下の3つを解説します。
①チームの目標設定
管理職は企業全体の方針を踏まえたうえで、チームが進むべき方向を具体的な目標として示す立場です。
管理職が数値目標や達成期限を明確に設定することで、部下は業務の優先順位を自分で判断しやすくなり、チーム内の動きに統一感が生まれます。結果として、メンバー全員が同じゴールに向かって行動できるため、チーム全体の生産性向上が期待できるでしょう。
②部下の育成
管理職は、部下一人ひとりの強みや課題を把握し、中長期的な視点で成長を支援することが求められます。
管理職が定期的な面談やフィードバックをおこなうことで、部下は自身の課題を認識しやすくなり、成長に向けた具体的な行動を取れるようになります。結果として、チーム内で対応できる業務の幅が広がり、組織全体の生産性と柔軟性が高まるでしょう。
③チーム・企業の成果の向上
管理職は、個人の成果だけを追うのではなく、チーム全体の成果を最大化する必要があります。
管理職がメンバーの適性に応じた業務配分や進捗管理をおこなうことで、各メンバーが自分の強みを生かせる環境が整い、チーム全体の生産性が高まります。チームの成果が安定的に積み上がることで、企業全体の業績向上や経営目標の達成にも貢献できるでしょう。
管理職に求められる能力とは?
管理職の役割を理解していても、それを現場で実行に移すためには具体的な能力が伴わなければなりません。たとえば、部下の育成が役割と理解していても、適切なフィードバックができなければ成果にはつながりにくくなります。
このような理由から、自身に不足している能力を把握し、意識的に磨くことで、管理職としての実行力を高められます。
ここでは、管理職に求められる能力について、以下の5点を解説します。
①部下との信頼関係を築くコミュニケーション能力
管理職が部下の意見を丁寧に聞き取り、適切なフィードバックを返す姿勢を続けることで、信頼関係が築かれます。
このようなことから、管理職には上層部の方針を現場に伝え、部下の声を経営層に届けるためのコミュニケーション能力が欠かせません。具体的には、部下の本音を引き出す能力や状況に応じて的確に伝える能力が該当します。
信頼関係が土台にあるチームでは情報共有が活性化し、問題の早期発見や業務改善につなげやすくなるでしょう。
②チームをまとめるマネジメント力
管理職は、チームの成果を最大化する立場にあるため、メンバーの適性を見極めて業務を割り振るマネジメント力が求められます。具体的には、各メンバーの強みを生かした役割分担と進捗管理を両立する能力を指します。
これらを実践できれば、業務の重複や抜け漏れが減り、チーム全体が無駄なく動ける体制を整えることが可能です。
管理職が正しくマネジメントできているチームは、組織としての生産性向上が期待できます。
③部下を成長させる育成力
管理職は特定の人材に業務が偏らないよう、部下一人ひとりのスキルを引き上げる育成力が求められます。OJTの計画策定やフィードバック面談、キャリア相談をおこなう能力が挙げられるでしょう。
管理職が部下の育成に取り組むことで、部下が新たなスキルを習得し、担当できる業務の幅が広がります。
新しいスキルが増えれば、ほかのメンバーの異動や退職が発生しても影響が少なくなり、チーム全体の柔軟性と生産性の向上が見込めるでしょう。
④トラブル時も冷静な判断力
管理職は業務上のトラブルや想定外の事態に直面した際、冷静に状況を分析する判断力が求められます。具体的には、事実を整理したうえで優先度を見極め、根拠をもとに判断を下すことが挙げられます。
管理職が事実を整理したうえで優先度を見極め、根拠をもとに判断を下せれば、トラブル時の混乱を最小限に抑えることが可能です。
結果的に、チーム全体が早期に通常業務へ復帰しやすくなり、被害の拡大防止にもつながるでしょう。
⑤チーム内を把握する情報管理能力
管理職はチームメンバーの業務進捗やコンディション、プロジェクトの全体像を常に把握しておく必要があるため、情報を整理する管理能力が求められます。この能力は、具体的には、日々の進捗確認やリソース配分の見直し、上層部への報告などの場面で欠かせません。
たとえば、日報のDX化ツールである「ビヨンド日報くん」を活用すれば、メンバーの日報をデジタルで一元管理できます。業務状況や課題を把握しやすくなるため、チーム内の情報管理に役立ちます。
このようなツールを活用すれば、管理職が問題に気付きやすくなり、トラブルが大きくなる前に対処できる体制が整うでしょう。
【まとめ】ダメな管理職の特徴を知って当てはまらないように意識しよう
本記事では、ダメな管理職の特徴について、求められる役割や能力も交えて解説しました。
ダメな管理職の特徴は、自己中心的な行動や責任逃避、過干渉、コミュニケーション不足の4つのパターンに分類できます。いずれのパターンも、チームの士気や生産性を低下させ、組織全体に悪影響を及ぼす点で共通しています。
ただし、これらの特徴に心当たりがあったとしても、管理職として求められる役割や能力を正しく理解し、日々の行動を見直すことで改善は十分に可能です。
まずは本記事で取り上げた内容を参考に、自身のマネジメントスタイルを振り返り、チームにとって信頼される管理職を目指してみてください。
なお、チーム内を正確に把握したい場合には、日報の運営方法を変えてみることも有効です。そのような施策を講じたい場合には、メンバーの日報をデジタルで一元管理できる「ビヨンド日報くん」の活用がおすすめです。
yama13
慶應義塾大学卒。2020年より中小企業の経理業務に従事。現在は経理と並行してマーケティング領域も担当し、数字に基づく経営状況の分析を得意とする。実務視点と戦略的な思考を活かし、現場に即した改善提案を行っている。















