日報・日記・日誌の違いとは?ただの感想文にしないための方法

日報は作成に慣れていないと、単なる感想文になってしまう場合があります。実際に日記や日誌のように、ただその日1日あった出来事を羅列しているだけの人もいるのではないでしょうか。

しかし、日報・日記・日誌はそれぞれ別物と考えておきたいです。どれも似たような言葉ですが、目的がそれぞれ異なるため、違いを理解して作成する必要があります。

この記事では日報・日記・日誌の違いについて解説します。ただの感想文にしないための方法も紹介するので「日報が日記や日誌みたいになってしまう」という人はぜひ参考にしてみてください。

日報・日記・日誌の違いとは?

まずは、日報・日記・日誌の違いについて見ていきましょう。

日報とは?

定義対象用例
仕事の進捗報告・情報共有として作成する記録上司・先輩業務日報・作業日報・営業日報・事務日報

日報とは、上司や先輩への報告を主として仕事の進捗報告や情報共有をするために日々記録するものです。一般的に提出する対象は上司や先輩など、管理者の立場にある人となります。

基本的に日報は仕事の進捗報告や情報共有のために作成する記録であり、ビジネスシーンで使用される言葉です。例えば「業務日報」「作業日報」「営業日報」「事務日報」などはビジネスシーンでも頻繁に耳にする言葉となっています。

日報は仕事の一環として作成するものとなるため、他の日記・日誌とは異なる性質を持っています。あくまで日報は会社・企業の運営に役立てるものと覚えておくとわかりやすいです。

日記とは?

定義対象用例
個人の感情・思考として作成する記録自分絵日記・観察日記

日記とは、自分の記録を主として個人の感情・思考をまとめるために日々記録するものです。一般的に誰かに提出するということはなく、自分自身で見返すのが主な目的となります。

基本的に日記には何を書いても構いません。客観的なものでも主観的なものでも、原則は何を書いても差し支えありません。例えば「絵日記・観察日記」など日々の発見を書いても問題ない他、日々の愚痴を書いても問題ありません。

日記はプライベートの一環として作成するものとなるため、他の日報・日誌とは異なる性質を持っています。あくまで日記は自分の生活を文章で残すものと覚えておくとわかりやすいです。

ただし、日記は知人や友人と共有する場合もあるため、その用途は千差万別です。

日誌とは?

定義対象用例
特定の観測データ・分析データとして作成する記録仲間・第三者学級日誌・航海日誌

日誌とは、仲間や第三者への共有を主として特定の観測データや分析データをまとめるために日々記録するものです。一般的に伝達する対象は仲間や第三者など、同業者の立場にある人となります。

基本的に日誌は特定の観測データや分析データをまとめるために作成する記録であり、限られたコミュニティで使用される言葉です。例えば「学級日誌」「航海日誌」などは限られたコミュニティでも頻繁に目にする言葉となっています。

日誌は調査の一環として作成するものもあり、他の日報・日記とは異なる性質を持っています。あくまで日誌は一定の界隈で役立てるものと覚えておくとわかりやすいです。

上手な日報作成のコツとポイント

次に、上手な日報作成のコツとポイントについて見ていきましょう。

1日の目標を立てる

日報をうまく作成するためには、1日の目標を立てるのがおすすめです。

目標と聞くと大袈裟ですが、要は「今日は営業を1件取る」でも構いませんし「今日は事務を10件処理する」でも構いません。自分が成長できそうな目標を設定し、それを乗り越えられるように1日を過ごすだけで変わってきます。

そもそも日報は会社や企業などの組織に対して、運営に役立てるために作成するものです。そのため、単に日記や日誌として作成するのではなく、自分自身の考えや気づきを盛り込みながら作成するものと認識しておきましょう。

短期的な目標と長期的な目標を掲げておけば、ゴールまでのマイルストーンも明確になり、何をすべきかが見えてきます。自己分析のために活用することで日報の役割も見えてくるため、まずは1日の目標設定から始めてみてください。

要点は箇条書きにする

日記や日誌はその日思ったことや感じたこと、もしくはその日の出来事を書き並べるだけでも構いません。しかし、日報は上司や先輩などの管理者に見てもらうことが前提となります。

そのため、書き手は読み手のことを念頭に置いて日報を作成しなければなりません。見やすいページとなるよう作成することで、確認する人の手間や面倒も省けます。

特に要点は箇条書きにするなど、簡潔かつシンプルにまとめることを意識しましょう。

  • 本日の業務内容
  • 本日の作業結果
  • 現状の課題
  • 今後の改善策

このように項目分けするだけで、見やすさが格段に向上します。各項目を見出しと見立てて作成すれば、単なる日報としてだけでなく社内のマニュアルとしても応用可能です。

最初は慣れていないと「何を書けばいいのか」と迷うものですが、ある程度の項目を先に決めてしまえば迷うこともありません。業務内容や作業結果、現状の課題や今後の改善策など、まずは必要な情報を箇条書きにしてリスト化してみましょう。

数字を効果的に使用する

日報は「今日は営業に行ってきました」「今日は事務を行いました」と書くだけでは不十分です。極力日報は数字を交えて作成するよう意識しましょう。

例えば「今日はA社とB社の2社に営業を行い、1件の契約を獲得しました」「今日は従業員のデータを10件処理し、新たな資料を3つ作成しました」と書かれている日報は具体的なシーンが浮かんできます。

日報を確認した管理者も数字が入っていることで、日報作成者が「今日1日何をしたのか」という具体的な状況が見えてきます。他にも時間を取り入れてタイムスケジュール風に作成するのも効果的です。

  • 9:00 出勤
  • 10:00 A社に営業
  • 11:00 取引先で商談
  • 12:00 昼食
  • 13:00 B社に営業
  • 14:00 取引先で商談
  • 15:00 会議資料の作成
  • 16:00 ミーティング
  • 17:00 退勤

このように時系列ごとにまとめると時間ごとに行動を追えるため、より確認する人も理解が進みやすくなります。必ずしもタイムスケジュールの記載は必須ではありませんが、うまく日報をまとめられないという人にはおすすめの手法です。

1日の業務を振り返る

日報は1日の業務を振り返るために作成する側面もあります。

まずは事前に設定しておいた目標を達成できたかどうかを確認しましょう。その際、目標を達成できた場合は達成できた理由、達成できなかった場合は達成できなかった理由をまとめてみてください。

そうすることで自分自身が1日にどのような作業を行い、何が足りなかったのかが見えてきます。もし目標が達成できていなかった場合は「次は目標を達成するためにどうすればいいのか」と改善点を洗い出すことで、さらなる成長につながるはずです。

逆に目標が達成できた場合は「より効率的な方法はないか」と、新たな目標を見つけていくのもおすすめです。場合によっては上司や先輩にアドバイスをお願いするなど、日報をフィードバックに活用するのも効果的といえます。

ただの感想文にしないための方法

最後に、ただの感想文にしないための方法について見ていきましょう。

所感を盛り込むことを意識する

日報はその日1日にあった出来事を書き並べるだけでは、単なる感想文になってしまいます。

「営業が難しかった」「事務が捗らなかった」だけでは、日報とは呼べません。日報は感想文ではないため、出来事に加えて所感を盛り込む必要があります。

  • 「営業が難しかった」⇒「営業がなかなか取れず商品・サービスのアピールが課題だとわかったため、今後はより詳細な資料を作成して営業に挑みたい」
  • 「事務が捗らなかった」⇒「事務がなかなかうまくいかず作業環境が課題だとわかったため、今後はアプリやソフトを導入して効率化を図りたい」

このように自分自身の感想に所感を盛り込むことで、日報としての完成度は格段に上がります。ただ思ったことや感じたことを並べるだけでは日報としては物足りないため、具体的な改善策などを盛り込んで作成するよう意識しましょう。

定期的に出来事をメモする

日報に書く内容がない場合、どうしても感想文のような内容になってしまいがちです。

そのため、書く内容が見つからない場合は仕事の合間を見計らって定期的に出来事をメモするようにしましょう。仕事に対しての考えや気づきなどを書き留めておくことで、日報に書くネタが見つかりやすくなります。

メモは殴り書きで構いませんので、思ったことや感じたことをメモする習慣を身に付けておいてください。そうするだけで、ネタ切れを回避しつつより具体的な内容の日報を作成できるようになるでしょう。

現状の課題を発見する

感想文であれば「営業がうまくいかなかった」「事務がうまくいかなった」で終わりでも構いません。しかし、日報はあくまでも上司や先輩に報告するためのものとなります。

そのため、単に感想を書くのではなく現状の課題を発見することも忘れてはなりません。例えば、営業がうまくいかなかったり事務がうまくいかなかったりした場合は、その原因を洗い出してみてください。

課題を洗い出すことで自分が置かれている立場を再認識することにつながり、結果的に改善策も見えてきます。課題を把握しないことには成長もできないため、自分自身の課題に加えて職場の課題などに言及するのも良いでしょう。

まとめ

日報は日記や日誌とは違い、仕事の一環として作成するものです。しかし、いざ日報を作成しようとしても感想文のようになってしまうことがあります。

その場合は日報のフォーマットを用意するのがおすすめです。例えば、日報作成のサポートサービス『業務管理システム 日報くん』は、日報作成の効率化が図れる機能が充実しています。

日報くんでは人・チーム毎の稼働集計やリソースの集計管理をシステムが自動で行うため、集計の手間なく業務効率化に活かすことが可能です。日報を単なる日記ではなく、「企業の情報資産」として活用したい場合は、ぜひ導入をご検討ください。

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