所感を書くときに、「勉強になりました」「今後に生かしたいです」で止まってしまうことはありませんか。
仕事で所感をまとめるなら、「何があったか」「そこから何を考えたか」「次にどうするか」の順に整理すると、伝えたいことが明確になります。大きな成果や特別な出来事がなくても、日々の気づきや疑問を題材にできます。
この記事では日報で書くべき所感の例文を紹介する他、ネタの探し方や上手な書き方について解説します。
そもそも所感とは?
「所感」は、主にビジネスシーンで個人が感じたことを記載する項目です。
日報や各種報告書などで、客観的なデータや事実とは別に主観的な見解や意見を記載します。
所感を記入する意味
「所感って書く必要ある?」と感じる人も多いと思いますが、所感を記入することには以下のような意味もあります。
・単なる事実だけでなく自分の感情や意見にも思いを巡らせる
・優先度や論理性とは切り離して率直な意見を表明できる
・小さな気づきでも共有することで大きなアイデアに繋がる
所感と感想の違い

- 所感:現状の課題や今後の仕事に対する自分なりの意見・主張をまとめたもの(例:~が興味深かったので情報収集していきたい)
- 感想:ただ単にその日思ったことや感じたことをまとめたもの(例:~が面白かった)
職場で作成する日報は、業務報告の意味合いもあります。そのため、単に思ったことや感じたことをまとめただけでは、日報ではなくただの感想文となってしまうでしょう。
そのため、日報は自身の意見や主張を盛り込んだ内容にするのが好ましいです。
所感の書き方は「事実・考え・次の行動」の3ステップ
所感に何を書けばよいか迷ったら、「何があったか」「そこから何を考えたか」「次にどうするか」の順に整理してみましょう。出来事と自分の考えがつながり、読み手にも伝わりやすくなります。
| ステップ | 書く内容 | 考えるための質問 |
|---|---|---|
| 事実 | 経験した出来事や結果 | 何をした?何が起きた?何が気になった? |
| 考え | 気づき・学び・自分なりの解釈 | なぜ気になった?何が分かった?どう思った? |
| 次の行動 | 実践すること・続けること・確認したいこと | 次はどうする?何を相談する? |
この3ステップは、文章を組み立てるための一つの方法です。提出先の指定に合わせて調整しながら使ってください。
1.題材にする出来事を一つ選ぶ
最初に、所感の題材となる出来事を選びます。日報ならその日の業務、研修報告書なら学んだ内容の中から、特に伝えたいことを一つ取り上げましょう。
大きな成果や失敗である必要はありません。「確認に時間がかかった」「教わった方法を試した」「前回よりスムーズに進められた」といった身近な出来事も題材になります。
たとえば、次のように書き始めます。
本日の見積書作成では、価格条件が分からず、担当者への確認で作業が止まりました。
ここでは、まず確認できた事実を記載します。「担当者の説明不足が原因だった」など、原因についての判断は、事実と分けて考えましょう。
日報の業務内容欄に詳しい経緯を書いている場合は、所感で繰り返す必要はありません。自分の考えが伝わる範囲で、出来事を短く示せば十分です。
2.気づいたこと・考えたことを書く
次に、その出来事から何に気づき、どう考えたかを書きます。事実の報告に自分の視点を加える部分です。
「難しかった」「勉強になった」で止まった場合は、次のように問いかけてみてください。
- どの部分が難しかったのか。
- 以前の自分の考えと、何が違っていたのか。
- うまくいった理由として、何が考えられるか。
- 自分の仕事に、どう関係しそうか。
先ほどの見積書の例なら、次のようにつなげられます。
書式を整える前に必要な条件を確認しておくことが、作業を進めるうえで大切だと感じました。
原因がはっきりしていない場合は、無理に結論を出す必要はありません。「原因の一つではないかと考えた」「違いを確認したい」など、推測や疑問であることが分かる表現にしましょう。
また、所感は反省だけを書く欄ではありません。うまくいった工夫や、今後も続けたいことなど、ポジティブな影響について考えを書くこともできます。
3.次の行動や確認したいことを添える
最後に、気づきを踏まえて次にどうするかを書きます。「頑張ります」「今後に生かします」だけでなく、実際に行うことを示すと、読み手も具体的にイメージできます。
見積書の例
次回は着手前に数量・単価・納期を確認し、不明な点を担当者に問い合わせます。
次の行動は、大がかりな改善策でなくても構いません。うまくいった方法を続ける、手順を確認する、上司に相談するといった内容でも十分です。
| 抽象的な表現 | 行動が伝わる表現 |
|---|---|
| ミスをしないように気をつけます。 | 提出前に、日付・数量・宛先を確認します。 |
| 学んだことを仕事に生かします。 | 次回の電話対応で、回答前に相手の用件を確認します。 |
| 理解を深めたいです。 | 判断に迷った事例を整理し、担当者に確認します。 |
自分だけでは対応を決められない場合は、相談したいことを記載しましょう。無理に解決策を断定する必要はありません。
3つの要素をつなげて、所感を完成させる
最後に、事実・考え・次の行動をつなげて読み返します。
所感の完成例
本日の見積書作成では、価格条件が分からず、担当者への確認で作業が止まりました。書式を整える前に必要な条件を確認しておくことが、作業を進めるうえで大切だと感じました。次回は着手前に数量・単価・納期を確認し、不明な点を担当者に問い合わせます。
自分の所感を書くときは、次の型も参考にしてください。
【出来事・結果】がありました。そこから【気づいたこと・考えたこと】と感じました。次回は【具体的な行動・確認したいこと】を行います。
例文の表現をそのまま使うより、自分が実際に経験したことへ置き換えることが大切です。一つの話題に絞り、出来事から次の行動までがつながっているかを確認しましょう。
【場面別】日報で書くべき所感の例文

日報や報告書で書くべき所感の例文を場面別に見ていきましょう。
業務についての所感
~業務についての所感の例文~
今日はやるべき業務をすべて完遂し、目標を達成することができました。個人での仕事はもちろんチームでの仕事も順調で、協力しながら仕事を遂行できました。一部の作業でミスが発覚したものの、即座に発見して対応できたので今後にも活かせると思います。明日は日々の業務に加えてミーティングがあるため、積極的に参加したいです。
業務についての所感では、その日1日に行った業務について書くのがおすすめです。スケジュールやタスクに関連する内容を書いていくだけで、日報の所感をまとめやすくなります。
1日のなかで発生した問題にどのように対応したのかなど、良いことも悪いことも含めて書くと、日報を確認した相手も状況が把握しやすくなります。
研修についての所感
~研修についての所感の例文~
今日はスキルアップ研修に参加しました。研修の内容は基礎的な知識や技術がメインでしたが、仕事に応用できるスキルもいくつか学ぶことができました。個人的には、パソコンのスキルを習得できたのが最大の成果だったと感じています。講師のわかりやすい説明はもちろん、実用的な演習もあったことでさらに成長を実感できました。
研修についての所感では、参加した研修の内容について書くのがおすすめです。スキルアップのための内容がほとんどであるため、日報の所感にも書きやすいでしょう。
具体的にどのような研修だったのかはもちろん、得られたスキルも書いておくと後々確認した際に役立ちます。
プロジェクトについての所感
~プロジェクトについての所感の例文~
現在進行中のプロジェクトは予定通り進んでいます。各マイルストーンに到達しながら着実に進めているため、進展も肌で実感できています。チームとのコミュニケーションも円滑だからか、課題に対してもメンバーと一緒に解決できました。適切な予防対策を練る機会にもなり、今後発生するであろうリスクにも差し支えなく対応できると自負しています。引き続き、チームでプロジェクト成功に向けて突き進みたいです。
プロジェクトについての所感では、現在進行しているプロジェクトの内容に絡めて書きましょう。大きなステップだけではなく、マイルストーンなど小さなステップごとに書いていくことで全体の進行も見えてきます。
チームとどのようにプロジェクトを進めたのかはもちろん、課題に対してどのように対処したのかも含めましょう。そうすれば、所感としての完成度はよりアップします。
ミーティングについての所感
~ミーティングについての所感の例文~
「新商品・新サービスの発案について」のミーティングに参加しました。会議では積極的に発言でき、参加した社員ともいくつかの意見・主張を交えて話し合うことができました。自分の考えだけでなく、他の社員の考えも見聞きして新たな発想が生まれ、今後の業務にも活かせそうです。ただし、自分の企画をうまく言葉で表現する難しさを改めて実感したため、今後はプレゼン能力を磨いていきたいです。
ミーティングについての所感では、会議などのミーティングの内容を含めて書きましょう。どのような会議だったのか、会議での自身の立ち振る舞いや他の社員との話し合いなども含めると書きやすいです。
結果としてどのような結論・議論が生まれたのかなども書けば、所感としてより伝わりやすくなるでしょう。
改善報告書についての所感
~改善報告書の所感の例文~
IDカードを紛失したことによるセキュリティ管理の改善を通して、改めて業務以外でのセキュリティ管理の具体例やインシデント発生による損失を共有する大切さを感じました。新人はもちろん、我々管理職も最新のセキュリティにアンテナを張り、気を引き締めていきたい所存です。
改善報告書には主にチームや部署全体の改善案を記入するでしょう。
所感欄に記入者本人の気持ちを正直に書くことで、単に義務感で書いたような印象から、意識改革をする意思が生まれた印象を与えることができます。
所感に書くことがないときの考え方
所感に書くことが思い浮かばないときは、特別な出来事や大きな成果を探そうとしているのかもしれません。しかし、所感の題材は、日々の業務で感じた小さな疑問や、いつもどおりに進められた理由の中にもあります。
小さな気づきを質問で掘り下げる
漠然と一日を振り返っても書くことが見つからない場合は、具体的な質問を自分に投げかけてみましょう。
| 振り返る視点 | 自分への質問 | 所感につながる題材の例 |
|---|---|---|
| 迷ったこと | どの場面で判断に時間がかかったか? | 問い合わせへの回答で、どこまで自分で判断してよいか迷った |
| うまく進んだこと | 作業がスムーズだったのはなぜか? | 必要な資料を先にそろえたことで、途中の確認が少なく済んだ |
| 前回との違い | 前回より進めやすくなったことはあるか? | チェックリストを使い、確認する順番に迷わなくなった |
| 周囲から学んだこと | 上司や同僚の対応で参考になったことは何か? | 先輩が結論から説明しており、要点をつかみやすかった |
| 疑問に思ったこと | 理由や目的が分からない手順はあったか? | 同じ情報を二つの帳票に入力する理由が分からなかった |
| 続けたいこと | 次回も取り入れたい工夫は何か? | 作業前に優先順位を確認したことで、着手する順番を決めやすかった |
すべての質問に答える必要はありません。一つの出来事を選び、そこから気づいたことや次の行動を考えてみましょう。
毎日同じ業務でも、進め方や判断に注目する
同じ業務を繰り返していると、「昨日と同じ内容しか書けない」と感じることがあります。その場合は、業務の種類ではなく、取り組み方や判断した場面に注目してみてください。
例えば、毎日のデータ入力でも、確認に迷った項目、入力前に準備したこと、間違いを防ぐために意識したことは振り返りの題材になります。
例文
本日のデータ入力では、表記が異なる取引先名の扱いに迷いました。自己判断で統一すると誤った情報を登録する可能性があるため、判断基準を確認する必要があると感じました。明日は該当する例をまとめ、担当者に確認します。
無理に毎日違うテーマを選ぶ必要はありません。同じ課題に継続して取り組んでいる場合は、前回試したことと、その後に分かったことを書くと、取り組みの経過が伝わります。
問題がなかった日は、うまくいった理由を書く
所感は、失敗や反省だけを書く欄ではありません。予定どおりに業務を進められた日も、その理由を考えることで、今後に生かせる内容になります。
「問題なく終わりました」で止めず、準備や確認、周囲との連携で役立ったことがなかったかを振り返りましょう。
例文
本日の会議資料は、提出前に必要な項目を担当者と確認したため、大きな修正なく準備を終えられました。作成前に認識をそろえることが、手戻りを減らすうえで役立ったと感じます。次回も、資料の目的と必要な項目を確認してから作成します。
答えが出ていない疑問も題材にする
業務中に疑問を感じても、解決策が思い浮かばず、所感に書けないと考える人もいるでしょう。しかし、現時点で分からないことや、確認が必要だと感じたことも題材になります。
その際は、「分かりませんでした」だけで終わらせず、どこまで理解していて、何が分からないのかを具体的に書くことが大切です。
例文
本日の問い合わせ対応では、通常の手続きは案内できましたが、例外的な依頼を受けた際の判断に迷いました。マニュアルだけでは判断しきれないケースがあると感じています。今回の対応を振り返り、自分で回答できる範囲と上司への確認が必要な条件を整理したいと考えています。
日報やメモから題材を拾う
一日の終わりにまとめて思い出そうとすると、細かな気づきを忘れてしまうことがあります。書くことが見つからないときは、日報の業務記録や作業中のメモ、当日の予定を見返してみましょう。
所感に書くことがないときほど、立派な結論を作ろうとせず、実際に経験したことを一つ取り上げてみてください。その出来事に対する自分の考えを添えることが、具体的で伝わる所感を書く第一歩になります。
そのためにも、日報は書きやすく見返しやすいツールを使うと良いでしょう。たとえばビヨンド日報くんは過去の日報を「プロジェクトごと」「月ごと」などに見返すことができ、振り返りに便利です。
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日報の所感の上手な書き方

ここからは、日報の所感の上手な書き方を見ていきましょう。
わかりやすくシンプルにまとめる
日報の所感は、とにかくわかりやすくシンプルにまとめるのが賢明です。
無駄な表現を取り入れると、伝えたいことの本質を見失います。その日思ったことや感じたことを盛り込むのは問題ないですが、余計な話まで盛り込むとただの感想文となってしまいます。
所感を書く際は、書き手の都合ではなく読み手の立場に立つことを重視しましょう。そうすることで、相手に伝わりやすい文章となるのではないでしょうか。
時系列を追って5W1Hで組み立てる
日報の所感は、時系列を追いながら5W1Hで組み立てるのが無難です。
単に思ったことや感じたことを順不同で書いていくと、まとまりのない文章となってしまいます。話が「あっちへ飛びこっちへ飛び」となると、文章としては非常に伝わりにくくなります。
所感を書く際は、「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように」を重視してみてください。そうするだけで、相手にもしっかり伝わる文章となるでしょう。
自分自身の意見や主張を取り入れる
所感は単なる感想ではありません。自分自身の意見や主張を取り入れるようにしましょう。
例えば、その日1件の契約が取れた場合、日報には「今日は1件の契約が取れました」とだけ書く人もいます。ただ、それでは内容が薄いですし、相手にもどのような状況で契約に至ったのかが伝わりづらいです。
そこで「今日は研修で教わった営業トークを活用したところ1件の契約が取れました」と書けば、具体的な場面が見えてきます。さらに「まだ説得力に欠ける部分があるため、商品・サービスについてより深く学びたいです」と加えれば完璧です。
単にその日起こったことを書くだけでなく、自分自身の意見や主張を加えることも忘れないようにしましょう。
メモする習慣を身につける
メモは具体的な所感を書くのに役立ちます。
メモは研修の際などに取ると教わる人もいますが、日々何かある度にメモしておく習慣もビジネスの世界では必須です。メモを取っておくことで、後々見返した際に見落としていた部分も見えてきます。
例えば、仕事で失敗してしまった場合、なぜ失敗したのかをメモしておくと後々の日報も書きやすくなります。逆に仕事で成功した場合も、なぜ成功したのかメモしておくとまとめやすくなるでしょう。
常にメモする必要はありませんが、何かが起こった際にメモする癖をつけておくことで日報作成にも役立つでしょう。
まとめ
日報は日々の感想ではなく所感をまとめるものです。しかし、所感とはいっても「何を書けば……」と頭を抱えることもあるでしょう。
その際は、自分自身の意見や主張を盛り込むことを意識してみてください。ネタは探せばそこかしこに転がっているものです。業務・研修・プロジェクト・ミーティングなどに目を向け、書けそうな内容がないか探してみましょう。
それでも日報作成に煩わしさを感じる場合は、手間や面倒のかからない環境を整えるのがおすすめです。例えば、日報業務の効率化なら「ビヨンド日報くん」が便利です。シンプルな画面で直感的に操作できるため、煩わしい日報作成を効率化できます。
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yama13
慶應義塾大学卒。2020年より中小企業の経理業務に従事。現在は経理と並行してマーケティング領域も担当し、数字に基づく経営状況の分析を得意とする。実務視点と戦略的な思考を活かし、現場に即した改善提案を行っている。









