業務改善を進めるためには、進め方を知っておくことが重要です。実際に業務改善に取り組もうと思っても進め方がわからないのでは、働く人も困惑してしまいます。
しかし、効率的な業務改善の進め方さえ知っておけば、経営者はもちろん管理職や従業員にとっても有意義な企業改革が進められるでしょう。
この記事では、業務改善に頭を抱えている方に向けて業務改善の進め方や業務改善のポイント、プロジェクトや会議に効果的なフレームワークを解説します。
業務改善の進め方

業務改善を進めるには、進め方を知っておくことが重要です。ここでは、業務改善の進め方について解説します。
業務の全体像を把握する
業務改善を進めるためには、業務の全体像を把握することが重要です。
経営者のなかには、現場でどのような仕事が行われているのかをきちんと把握できていない方もいるかもしれません。しかし、現場の仕事が把握できていなければ、業務改善は進めようがありません。
よくあるのが、経営者が「今日からこの方法に変更する」と決定しても、現場が従わないパターンです。現場には現場のやり方があり、古くからそのやり方で進めているため、働く人によっては突然の業務改善に戸惑うこともあるでしょう。
そうなると業務改善で効率化を上げるどころか、現場から反発が出てしまいます。重要なのは、現場の流れを追いながら何が問題となっているのかを把握することです。
まずは現状把握という意味も含め、業務の全体像を把握しましょう。
改善すべき課題を抽出する
業務改善を行うためには、改善すべき課題を抽出することが重要です。
チームで業務を進めている場合、仕事の進捗はもちろん、メンバー間の意思疎通や人間関係に亀裂が発生している場合もあります。古くからの方法が通用しなくなっている場合もある他、上司と部下の関係も時代とともに変化しています。
企業によっては電子に移行できるものを紙で対応していることもあれば、報連相もチャットではなく電話やメールで行っていることもあるでしょう。
もちろん、古くからの方法が間違いとはいいませんが、業務改善を行う場合は現状の課題を抽出しつつ改善していくことが重要となります。
そのため、まずは各業務が抱えている課題をリストアップしてみましょう。
取り組む内容を検討する
業務の全体像を把握して課題が抽出できたら、本格的に取り組む内容を検討します。
いきなり「今日からこの方法で進める」と提案しても現場から反感を買う可能性があるため、業務改善を実施する前に慎重な検討を重ねましょう。
時には現場の意見も取り入れつつ「1ヶ月後にこの方法に切り替えようと思うのですが、いかがでしょう」と提案してみてください。
取り組みの内容が現場にも浸透すれば、業務改善は進めやすくなります。ただし、反発があった場合は、どこに不満があるのかしっかりと働く人の声にも耳を傾けることが重要です。
効果を検証する
業務改善は、実施して終わりではありません。
実施後は効果を検証する段階に入ります。実際に行った業務改善がどれほどの効果を生み出したのか、具体的な数字やデータを活用しながら検証することが重要です。
検証の結果、以前の方法と比べて改善が見られた場合は、業務改善に成功したといえるでしょう。
もちろん、業務改善に取り組んでも失敗に終わることもあるため、その場合は「どこに問題があったのか」を再度確認してみましょう。
業務改善のポイント

業務改善の効果を得るには、ポイントを知っておくことが重要です。ここでは、業務改善のポイントについて解説します。
QCDのバランスを意識する
QCDとは「クオリティ・コスト・デリバリー」の略で、業務改善においてはQCDのバランスが重要となります。
- Q(クオリティ):品質のこと
- C(コスト):費用のこと
- D(デリバリー):納期のこと
実際に品質が向上すればお客様の満足度や競争力がアップし、費用が削減できれば経営の安定化や競争力の維持につながり、納期が短縮できれば生産性や信頼性の獲得につながるでしょう。
このQCDを意識しないと効率的に業務改善できないため、業務改善に取り組む際はQCDのバランスを意識してみてください。
4Mの要素を考慮する
4Mとは「マン・マテリアル・マシン・メソッド」の略です。
- M(man ; マン):人的要因のこと
- M(material ; マテリアル):素材的要因のこと
- M(machine ; マシン):設備的要因のこと
- M(method ; メソッド):方法的要因のこと
業務改善においては、4Mの要素が重要となります。
人的要因は能力・適性・人員・モチベーション、素材的要因はシステム・ツール・デバイス・アプリケーション・ソフトウェア、設備的要因は業務体制・ネットワーク環境・サーバー環境、方法的要因は業務フローや業務マニュアルに関係します。
この4Mを考慮しないとうまく業務改善できないため、業務改善に取り組む際は4Mの要素を意識すると効果的です。
現場の主張を尊重する
業務改善は経営者の独断でも進められますが、重要なのは現場の主張を尊重することです。
もちろん、経営者には経営者の考えがあってのことですが、実際に業務に当たるのは現場で働く管理職や従業員の方たちです。業務改善は働く人の主張を無視していては進みません。
それどころか、無理に業務改善を推し進めようとすると現場が混乱することもあります。
そのため、業務改善の際は現場が抱えている課題を明確にし、働く人たちにとってどのような恩恵があるのかを明示しましょう。
効率がアップして仕事の負担も軽減できるのであれば、現場からも賛同を得られるでしょう。

プロジェクトや会議に効果的なフレームワーク

プロジェクトや会議を円滑に進めるためには、効果的なフレームワークを知っておくことが重要です。ここでは、プロジェクトや会議に効果的なフレームワークについて解説します。
PDCA:全体の進捗管理
PDCAは、「計画・実行・評価・改善を軸にしたサイクル」のことです。
業務改善は、計画して実行しない限り評価も改善もできません。そのため、全体の進捗管理はPDCA(計画・実行・評価・改善)を軸に考えていくのが効果的とされています。
PCDAに沿って進めることで「計画⇒実行⇒評価⇒改善」までが一連の流れとして見えてくるため、どのような進捗状況なのかが把握しやすくなるでしょう。
BPMN:業務の把握
BPMNは、「出来事・業務内容・分岐条件・実行順序を図形にして記載する方法」のことです。
業務改善は、業務の流れを把握しないと始まりません。そのため、業務の把握はBPMN(出来事・業務内容・分岐条件・実行順序)で図形にして記載するとわかりやすいとされています。
BPMNを活用することで業務全体を図形で理解できるようになるため、業務改善にも役立つでしょう。
ECRS:方針の検討
ECRSは、「排除・結合・入れ替え・簡略化を軸にした思考法」のことです。
業務の全体像が見えたら、具体的に方針を決めなければなりません。不要な業務を排除・結合できないか検討し、工程や担当者の入れ替えによって最適化を図り、目標達成に影響がない範囲で業務を簡略化することが求められます。
業務改善で方針を検討する際には、上記で紹介したECRSの方法を取り入れてみてください。
KPT:効果の検証
KPTは、「継続・問題・挑戦を軸にした振り返り方法」のことです。
業務改善を実行したら、具体的な効果を検証しなければなりません。新たな手法が効果的であれば継続を試み、課題があれば改善し、試行錯誤を繰り返していくことが求められます。
基本的に業務改善はトライ&エラーの連続だからこそ、上記で紹介したKPTの方法も取り入れてみてください。
その他の分析
業務改善は実行だけでなく分析も必要です。主な分析方法には次のような手法があります。
- ロジックツリー分析
- バリューチェーン分析
ロジックツリー分析は「特定の問題に対して論理的に原因を分析する手法」のことで、ツリー状に書き出すことで問題を細分化し、真因追求につなげる方法です。
バリューチェーン分析は「顧客に商品・サービスが届くまでのプロセスを分析する手法」のことで、プロセスを鎖状につなげて洗い出し、どの過程で価値が生まれているかを探る方法となります。
どちらも業務改善の分析に効果的な手法となるため、プロジェクトや会議の資料にも活用してみてください。効果的な分析を取り入れることで、業務改善もより効果的に進められるでしょう。
まとめ
業務改善の進め方に正解も不正解もありません。ただし、効果的な進め方を理解しておかないと業務改善はなかなか進みません。
重要なのは、業務の全体像を把握しつつ改善すべき課題を抽出し、取り組む内容を検討して実際の効果を検証することです。この流れを理解しておくだけで、業務改善は効率的に進められます。
一方、いきなり複雑な業務改善を実践しようとしても現場がパニックになるため、簡単にできる業務改善から進めていくのがおすすめです。
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yama13
慶應義塾大学卒。2020年より中小企業の経理業務に従事。現在は経理と並行してマーケティング領域も担当し、数字に基づく経営状況の分析を得意とする。実務視点と戦略的な思考を活かし、現場に即した改善提案を行っている。





