
事務職の人にとって、デスクワークの効率化は生産性の向上に直結するため非常に大切です。さらには企業活動そのものにも大きな影響を与えます。管理部門の省力化は企業全体の利益率の改善につながるからです。
この記事では、デスクワークの効率化のアイデアについて、個人が取り組むことと、企業として取り組むこととに分けて解説しますのでぜひ参考にしてください。

デスクワークの業務効率化を図るには
業務効率化とは
業務効率化とは、現在の業務にある非効率な部分を改善してスムーズに業務を進められるようにすることです。現状把握をもとに改善が必要となっているポイントを発見し、効率化の手がかりとします。
ここで言う「非効率な部分」とは、ムリ・ムダ・ムラのある部分だと言い換えられます。ムリのある業務とは、担当者に過度に負担がかかる業務です。ムダな業務とは、重複していたり活用されなかったりする業務を指します。ムラのある業務は、時間帯や時期によって量が大きく変動する業務です。業務効率化のためには、これらムリ・ムダ・ムラのある業務を改善します。
業務効率化の基本
業務効率化のためには、まず現状の確認から始めることが基本であり非常に重要なことでもあります。どんな業務があり、どんな手順で誰がどのぐらいの時間をかけて行っているのかを洗い出しましょう。
デスクワークの業務効率化によって少ない労力・短い時間で成果を出せるようになると、残業時間の短縮とそれに伴う残業代の削減、生産性向上による増産や利益率向上ができるようになります。
労働人口の減少への特効薬がない現在、生産性向上は企業の存続に関わる重大な問題です。企業においては業務効率化を進めることが求められています。
デスクワークの業務改善アイデア事例【個人編】
実際に効率化を行うのはデスクワークを担当している個人であり、個人の取り組みは業務改善に欠かせません。企業全体のデスクワークの業務効率化は、個人として取り組むべきことと企業として取り組むべきこととに分かれます。
まずは、個人向けの改善のアイデアについて解説します。具体的なアイデアは以下の通りです。
- デスク周りの整理整頓
- デスクトップのフォルダの整理
- タスクの優先順位づけ
- PC設定の見直し
- 頻繁に使う単語の辞書登録
- 頻繁に使う文章のテンプレート化
- ショートカットキーの活用
- 仕事を捗らせるグッズの導入
細かい改善の積み重ねになりますが、各自がいろいろな点を改善することにより、企業全体として大きな成果を上げることにつながります。整理と省力化・自動化を行うのが基本姿勢だとまとめることが可能です。とくに使用頻度の高い業務での効率化ほど、高い効果が得られます。
企業としては、社員に情報を共有するほか、必要に応じて備品を提供することなどが求められます。
デスク周りの整理整頓
まず、デスク周りの整理整頓が挙げられます。整理整頓がされていればどこに何があるかわかり、作業に取りかかる際も必要なものを探す時間が短縮できるからです。
さらにデスク周りが散らかっている場合、書類の紛失などのリスクも高まります。整理整頓によって紛失のリスクを減らすことができ、紛失の対応や処理にかかる時間も節約することが可能です。
午後の始業時や帰宅前にはデスク周りを整頓するなど、会社全体で具体的なルールを作るのもよいでしょう。場合によっては、整理するためのケースや書類立てなどの準備も必要です。
デスクトップのフォルダの整理
デスク周りだけでなく、PCのフォルダも同様に整理整頓が大切です。どこに何があるかわかる状態にしておかないと、必要なデータを探すという無駄な手間がかかってしまうからです。
まずは、使う頻度の高いデータをまとめて入れるフォルダを作ることがおすすめです。そして使い終わったデータや記録として保存するデータは、種類や内容によって分類して保存しましょう。
その際、とくに共有サーバーやオンラインストレージなどでは、フォルダづくりのルールを統一する必要があります。フォルダ名やファイル名の付け方も重要です。名前を見て内容が判断できないと、結局のところ必要なデータを発見できません。名前の付け方にもルールが必要です。たとえば、西暦を使用するのか元号を使用するのか、数字は半角なのかどうかなどは検索結果にも影響します。
PCのデータは削除しない限り残っているので、その点では書類の現物よりリスクが少なくて済みます。しかし、整理整頓して保存することは業務のスピード化につながるためやはり重要です。
タスクの優先順位づけ
タスクの優先順位づけのルール作りも効率化につながります。重要度の高いものから先に作業したり時間をかけたりすることで、利益が最大化されるほか、業務の遂行がスムーズになるからです。優先順位というと取り組む順序を指すことが一般的ですが、順序に加えて時間の長さの優先度も決めるとさらに成果を高めることができます。
順序を決める具体的な考え方としては、締め切りの早い業務、完成に時間がかかる業務、共同作業でほかの人も関わる業務は優先するのが一般的です。時間配分の方は、社内向けでなく社外向けの業務、得られる利益やミスによる損害が大きい業務、必要となる時間が長い業務に時間をかけるのが基本的な考え方だと言えるでしょう。
PC設定の見直し
PC設定の見直しも、一見地味かもしれませんがスムーズに作業に取り組めるようになり、ストレスも軽減されます。すぐに始められることでもあるので、ぜひ実行してみてください。具体的には次のような例が挙げられます。
- よく使うアプリはタスクバーにピン留め、あるいはスタートアップに追加する
- キーボードの反応速度を上げる
- マウスの感度を上げる
アプリの例としては、経理職ならExcelや電卓、そのほか職種を問わずコピペツールなどがあります。上記の設定を変えることによって、アプリの起動までの手間と時間がカットできる、入力が最速化できるなど作業のスピードアップが可能です。
企業としては、役立つ設定の情報共有などを行いましょう。
頻繁に使う単語の辞書登録
PCの作業では、頻繁に使う単語や決まり文句を登録しておくとより効率的に入力できるようになります。
たとえば、「引き続きよろしくお願いいたします。」だと17字ありますが、この一文を「ひき」で登録しておけば2字で済みます。メールを送信する回数が多いほど、手間と時間を大きく短縮できます。
そのほか、自社の商品名などの固有名詞などでも良いでしょう。ネーミングによっては一発で変換できないケースも多いからです。
登録するメリットは時間の短縮だけではありません。打ち間違いも減少し、外部メールへの誤情報の記載等も減らせます。ほかのアイデアと同じく、具体的な方法を社員に周知してください。
頻繁に使う文章のテンプレート化
辞書登録や書類の原版と同じ考え方となる方法として、頻繁に使う文章はテンプレート化しましょう。書類の原版を作っておくように、文章単位でも原版を作っておくと文章作成やメール作成の効率化に役立つからです。
メールの場合はテンプレート化して署名として保存します。パターンがいくつかある場合などは、「メモ帳」を使ってもよいでしょう。
テンプレート化も同じ文章をごく短い時間で入力することが可能になります。労力・時間の節約、ミスの防止とチェック時間の削減などに役立つので、研修などで周知してください。
ショートカットキーの活用
PC入力では、ショートカットキーを活用することも効率化に大いに役立ちます。作業時間が短縮できるからです。とくに頻繁におこなう動作ほど効率化につながるため、頻度の高い動作はショートカットキーがないかチェックしてみましょう。
職種により作業内容が異なるため頻度の高い動作も異なりますが、一般的な例としては以下のようなショートカットキーがあります。
ショートカットキー | 用途 |
Ctrl + C | 選択した範囲のコピー |
Ctrl+X | 選択した範囲の切り取り |
Ctrl+V | コピー・切り取りした範囲の貼り付け |
Ctrl+Z | 動作の取り消し |
Ctrl+Y | 動作のやり直し |
PC研修などで周知したり一覧を作成して共有したりするなどの方法で、ショートカットキーの活用を促すことができます。
仕事を捗らせるグッズの導入
仕事を捗らせるようなグッズを導入することも効率化につながります。仕事が捗れば、当然短い時間で作業を終わらせたり、より多くの作業を行ったりすることができるからです。
集中したりリラックスしたりできるような環境に関わるグッズと、作業効率を高めるようなツールに近いグッズとに分けられます。
【環境に関わるグッズの例】
- 座り心地のよい椅子
- 高さの調節がしやすいデスク
- 適度な明るさの照明
- リラックスできるBGM
【作業効率に関わるグッズの例】
- 操作しやすいノートパソコンスタンド
- マルチディスプレイ
- 打ちやすいキーボード
- 使いやすいマウス
グッズは基本的に費用が発生するので、費用対効果を考えつつ企業が準備したり費用負担したりするべきでしょう。
デスクワークの業務改善アイデア事例【企業編】
次に、企業として対応すべき業務改善のアイデアについて見ていきましょう。具体的なアイデアは以下の通りです。
- 不要な作業の削減
- 業務の担当の見直し
- 業務マニュアルの作成
- 業務フローチャートの作成
- 繰り返し作業の自動化
全体像の把握が必要なことや費用が必要となることは企業が主導するべきでしょう。それぞれのアイデアについて具体的に確認します。
不要な作業の削減
不要な作業を削減することは、業務改善の第一歩です。重要な業務・利益を生む業務に集中でき、少ない労力で収益を得ることが可能となるからです。
ここで言う「不要な作業」とは、より具体的には「効果がないこと」「重複していること」「まとめられること」と言い替えられるでしょう。
効果がないことの例は、活用されることもなく見直す可能性がゼロであるような記録などです。重複していることの例としては、複数の部署や担当者が同じようなことを行っているケースが挙げられます。まとめられることの例は、提出先が違うだけでほぼ同じ内容の社内書類を作成しているようなケースです。いずれも、無批判に長く続けられている作業に起こりやすいことだと言えるでしょう。
「効果がないこと」を突き詰めると、「歩く」「印刷する」なども効果がないことに該当します。作業をするうえで歩く必要がないレイアウトや、印刷をせずすべてオンラインで完結させるような仕組みなどを作ることも不要な作業の削減につながるでしょう。
企業にとっては、業務の棚卸を行って全体像を把握することが求められます。
業務の担当の見直し
業務の担当を見直して、それぞれに得意な業務を担当させることによっても作業効率が高まります。得意な業務は短時間で行うことができるからです。
これは、言い換えれば適材適所を実現させるということです。得意な業務を担当させることには、業務のミスが減ったりクオリティが高くなったりする、モチベーションを保ちやすいなどのメリットもあります。作業のチェックや面談などの時間も短縮でき、効率化にも有益です。
「業務の担当の見直し」には、部署の異動を伴う大がかりな見直しと部署内の担当業務を変更する比較的小規模な見直しがあります。他部署への異動を行う場合は人事部の判断が、同一の部署の中で業務の分担を変更する場合は部署のリーダーの采配が欠かせません。
適切な見直しのためには、本人のスキルや将来の希望を把握することが大切です。ただし、目先の効率化だけでなく、中長期的な育成も考慮しなければなりません。現在の作業効率が下がるとしても、将来的にいろいろな業務を経験させるべきケースもあるからです。
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業務マニュアルの作成
業務マニュアルを作成することも、企業主導で行うべき業務効率化の手段の1つです。作業を担当する社員も上司や先輩も、手間と時間を節約することができるからです。
マニュアルによる標準化を行うと、新人もわからないことを何度も質問せずに自分で解決することができます。質問を受ける側も対応する必要がなくなり、お互いに作業をスムーズに進められるようになるでしょう。
また、作業が標準化されることにより、作業の分担もしやすくなる、一定の品質がキープできるなどの効果もあります。これらの面からも効率化につながります。
理解しやすいマニュアルを作成すること、そしてマニュアルの手順を守るよう周知徹底することが成功のために非常に重要です。
なお、マニュアルはブラッシュアップが欠かせません。よりよい方法を発見した人がいた場合は、それを個人のノウハウにとどめておくのは企業にとってマイナスになります。人によるバラつきが生まれてしまい、全体の底上げができないからです。よりよいアイデアは共有して、企業全体のマニュアルをブラッシュアップしてください。
業務フローチャートの作成
マニュアルとともに、作業の流れをまとめた業務フローチャートも作成しましょう。より効率的に作業の標準化を図ることができ、効率化が促進されるからです。
業務フローチャートがあると作業の全体像を把握しやすくなります。全体像が把握できると、各手順の意味やポイントが理解しやすくなります。「なぜそのやり方で行うのか」という背景が理解できれば、ブレのない作業の標準化が可能です。
標準化が進むということは、人によるバラつきがなくなるということです。そうすると修正やチェックの手間が減り、効率化につながります。
繰り返し作業の自動化
繰り返し作業を自動化することもデスクワークの効率化に大きく貢献します。担当者が、ほかの創造的な作業やコアな作業に集中できるようになるからです。頻度が高い内容ほど、自動化することによって大きな効果を得ることが可能です。
とくに、給与計算など、作業自体は比較的単純でもミスが許されず、かつ量が多い作業は自動化に適しています。ツールを導入して自動化することにより作業そのものの時間が短縮されるのはもちろん、チェックの時間や精神的なストレスなども解消されるでしょう。
ツールやシステムよりも細かい自動化の例として、たとえばExcelのマクロなどを設定することでも集計作業などの効率化が可能です。
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デスクワークの業務効率化におすすめのツール
事務の業務効率化を図るためには、自動化・省力化において大きな役割を果たすITツールの活用が必須です。
活用できる主なツールは、以下の通りです。
種類 | 主な機能 |
コミュニケーションツール | 情報のやり取りをすぐに行うことができ、意思決定や確認のスピードアップが可能になる |
ワークフローシステム | 稟議や申請など流れのある業務をWeb上で完結できるシステムで、時間と労力の短縮に役立つ |
マニュアル作成ツール | テキスト・画像・動画などで業務や操作のマニュアルを作成でき、簡単に作業を標準化できる |
メモツール | ちょっとしたメモを保存でき、ほかの社員と共有できるツールで、共同作業の効率化に役立つ |
マインドマップ | 漠然とした考えやアイデアを整理するツールで、プレゼン資料の作成などにも活用可能 |
オンラインストレージ | インターネット上でファイルを管理・共有でき、場所や時間に縛られず閲覧・編集ができる |
オンライン会議ツール | デバイスと通信環境があれば場所にとらわれず会議が可能で、移動の時間・コストを削減できる |
RPA | PCで行う定型的な業務をロボットにより自動化でき、時間と労力を削減できる |
業務管理ツール | 個人やプロジェクト単位での業務の進捗などが管理でき、チーム内の業務量の調整などに役立つ |
上記のツールのうち、業務管理ツールに関しては業務管理システム「日報くん」がおすすめです。

使い方も簡単なのでインターネットや各種デバイスに不慣れな人にとっても操作しやすく、すべての社員が日報提出の手間と時間の大幅な削減が可能です。管理する側にとっても、効率化の第一歩である現状の見える化がすぐにできてプロジェクトやチームの稼働管理が容易にできるようになります。
関わる人数が多い作業や分量の多い作業ほど、ツールを導入することによって大きく効率化することができます。日報はほとんどの社員が行う業務なので、高い効果が得られるでしょう。
月額44円/人~利用できるため、費用対効果も抜群です!
まとめ
デスクワークの効率化は、多くの企業にとって存続に関わる大きな課題です。企業が主導しつつ、個々人が取り組んでいく必要があります。
グッズやツールを使用することも、効率化のために大いに役立ちます。当然ながら、効果が期待できる施策から着手するのがおすすめです。とくに関わる社員が多い業務のツールを導入すれば、社内全体が効率化を実感できるようになります。その結果、さらにほかの施策にも前向きになる効果が期待できます。
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