固定資産管理システムのおすすめ10選!比較ポイントや導入前にすべきこと

業務効率化

企業の固定資産管理業務は、減価償却計算から税務申告まで幅広い作業が必要な複雑な業務分野です。

Excelでの台帳管理を行っている企業も少なくないはずですが、資産数が増えるにつれて情報が散在し更新作業の負担も大きくなることで、ミスが発生しやすくなってしまいます。

こうした課題を解決するのが「固定資産管理システム」です。システムを活用することで、固定資産の情報をまとめて管理でき、減価償却計算の自動化や税務申告についての資料作成の効率化も可能になります。

しかし、固定資産管理システムには多様な製品があり、機能や料金体系もさまざま

この記事では、おすすめの固定資産管理システム10選を詳しく紹介し、システム選定時の比較ポイントや導入前に準備すべき事項も解説します。

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クラウドで使える固定資産管理システム

クラウド型の固定資産管理システムは、インターネット環境があればどこからでもアクセスできる利便性があり、初期導入コストを抑えられるメリットがあります。また、システムのメンテナンスや機能アップデートが自動で行われるため、常に最新の制度改正に対応した状態で利用可能です。

  • 固定資産奉行クラウド
  • Money Forward クラウド固定資産
  • PCAサブスク固定資産

固定資産奉行クラウド

固定資産奉行クラウドは、株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)が提供するクラウド型の固定資産管理システムです。

中小企業から中堅企業まで幅広く導入されており、特にIT担当者が不在の企業でも安心して利用できる充実したサポート体制となっています。

減価償却費の自動計算や償却資産税申告書の作成機能により、経理業務の効率化を実現。

奉行シリーズの会計システムと連携することで、仕訳データの自動取込みが可能になります。税理士ライセンスが標準で付属するため、顧問税理士との情報共有もスムーズに行えるはずです。

項目内容
最大の特徴減価償却と償却資産税申告を自動化できる
おすすめケースIT担当が不在の中小企業
初期費用0~70,000円
月額費用4,750~30,400円
公式サイトhttps://www.obc.co.jp/bugyo-cloud/kotei 

Money Forward クラウド固定資産

Money Forward クラウド固定資産は、株式会社マネーフォワードが提供するクラウド型固定資産管理システムです。

同社の会計システム「マネーフォワード クラウド会計Plus」と密に連携できることが最大の魅力となっています。

ワンクリックで固定資産の仕訳データを会計システムに連動させることができ、手入力によるミスを大幅に削減。

APIによる外部システム連携にも対応しており、既存の業務システムとの統合も可能です。

モバイル端末からの資産台帳確認にも対応しているため、現場での資産確認作業も効率化されます。

項目内容
最大の特徴ワンクリックで会計仕訳を連動できる
おすすめケース自社でクラウド会計を運用する企業
初期費用個別見積り
月額費用要問合せ
公式サイトhttps://biz.moneyforward.com/fixed-assets/ 

PCAサブスク固定資産

PCAサブスク固定資産は、ピー・シー・エー株式会社が提供するサブスクリプション型の固定資産管理システムです。

初期費用無料で導入でき、低コストで固定資産管理を始めたい中小企業に適しています。

建設仮勘定から本資産への自動移行機能により、建設業や製造業での複雑な資産管理にも対応。複数会社の管理を追加費用なしで利用できるため、グループ企業での一元管理も実現できます。

電子帳簿保存法のスキャナ保存にも対応しており、ペーパーレス化も推進可能です。

項目内容
最大の特徴建設仮勘定から本資産へ自動移行できる
おすすめケース低コストで始めたい中小企業
初期費用0円
月額費用4,950円~
公式サイトhttps://pca.jp/area_product/subsc/prokot_subsc_plan.html 

IFRS適用企業向け高機能固定資産管理システム

IFRS(国際財務報告基準)を適用している企業や、グローバル展開を行う大企業では、複数の会計基準に対応した高度な固定資産管理機能が求められることでしょう。

そういった企業には、単なる固定資産管理だけでなく、予測機能やリアルタイム分析、複数帳簿の同時管理などより高度な機能を搭載したシステムが適しています。

  • SAP S/4HANA
  • Oracle Cloud ERP Fixed Assets
  • SuperStream-NX 固定資産

SAP S/4HANA

SAP S/4HANAは、ドイツSAP社が提供するERPシステムで、インメモリデータベース「SAP HANA」を基盤とした高速な処理が最大の特徴となっています。

グローバル企業の11,500社以上で導入されており、GoogleやMicrosoftなどの世界的企業でも採用されています。

固定資産管理機能では、多帳簿をリアルタイムで計算処理でき、複数の会計基準に同時対応が可能。

2017年から搭載された機械学習機能により、資産分類の自動提案や減損リスクの予測も実現できます。

さらに、SAP Analytics Cloudと連携することで、固定資産データの高度な分析や可視化も行えるようになります。

項目内容
最大の特徴多帳簿をリアルタイムで計算できる
おすすめケースグローバル展開しIFRS決算を行う企業
初期費用個別見積り
月額費用個別見積り
公式サイトhttps://help.sap.com/docs/SAP_S4HANA_CLOUD/3e5fcf2c768746049b5627bd5a42f720/592b3250326543f7bbceba6ae91fc061.html 

Oracle Cloud ERP Fixed Assets

Oracle Cloud ERP Fixed Assetsは、オラクル社が提供するクラウド型ERPソリューションの固定資産管理モジュールです。

大企業のERP統合プロジェクトにおいて高い実績を持ち、特に複雑な組織構造を持つ企業での導入が進んでいます。

固定資産の取得から除却まで全ての処理を自動仕訳できる機能により、経理業務の大幅な効率化を実現。

AIを活用した減損リスクの予測機能も搭載しており、予防的な資産管理が可能となっています。IFRS16のリース資産についても標準で処理できるため、新リース会計基準にも対応することが可能です。

項目内容
最大の特徴取得から除却まで自動仕訳できる
おすすめケースERP統合を推進する大企業
初期費用個別見積り
月額費用個別見積り
公式サイトhttps://www.oracle.com/jp/erp/financials/ 

SuperStream-NX 固定資産

SuperStream-NX 固定資産は、キヤノンITソリューションズが提供する国産固定資産管理システムです。上場企業830社以上で導入されており、日本企業特有の会計処理や制度改正への対応力に強みがあります。

最大5台帳の一元管理により、日本基準・IFRS・管理会計基準を同時に運用することが可能。管理項目を無制限で追加できる柔軟性も備えています。

会計GLとのリアルタイム連動により、固定資産データの変更が即座に財務諸表に反映される仕組みも構築できるはずです。

項目内容
最大の特徴最大5台帳を一元管理できる
おすすめケース上場企業で複数帳簿を運用するケース
初期費用要問合せ
月額費用要問合せ
公式サイトhttps://www.superstream.canon-its.co.jp/product/account/fa 

製造業の棚卸・移動管理に強い固定資産管理システム

製造業や流通業では、大量の固定資産や設備機器を工場や倉庫、研究所などの複数拠点で管理する必要があります。

こういった企業には、RFIDやバーコードを活用した棚卸システムや、建設仮勘定から本勘定への移行に対応したシステムがおすすめです。

  • Assetment Neo
  • ProPlus 固定資産システム

Assetment Neo

Assetment Neoは、株式会社アセットメントが提供するクラウド型の社内資産管理システムです。

固定資産の現物管理に特化しており、特に工場や研究所での実地棚卸業務を効率化したい企業に適しています。

RFIDやバーコードを活用した棚卸機能により、従来の手作業による現物確認作業を大幅に短縮することが可能。

建設仮勘定から本勘定への移行を承認制で管理できるワークフロー機能も備えており、製造業に特有の大規模な設備投資にも対応しています。

SaaSとオンプレミスの両方の提供形態を選択できるため、セキュリティ要件に応じた導入ができるようになっています。

項目内容
最大の特徴RFID/バーコード棚卸を高速化できる
おすすめケース工場や研究所で実地棚卸を効率化したい企業
初期費用要問合せ
月額費用40,000円~
公式サイトhttps://www.assetment.net/function/ 

ProPlus 固定資産システム

ProPlus 固定資産システムは、株式会社プロシップが提供する固定資産管理システムで、累計5,400社の導入実績があります。

特に製造・流通業の大企業で多品種にわたる資産管理が必要な企業に適したソリューションとなっています。

35科目にわたる多様な償却方法を設定でき、複雑な製造設備の償却パターンにも対応。IFRSと税務基準の差異を自動で調整する機能もあるので、グローバル企業の複数基準管理も効率化されるはずです。

サポート体制も充実しており、問い合わせに対する1時間以内の回答率が99.7%という高水準を維持。製造業特有の複雑な資産管理要件にも迅速に対応できます。

項目内容
最大の特徴35科目×多様な償却方法を設定できる
おすすめケース多品種資産が多い製造・流通大企業
初期費用要問合せ
月額費用要問合せ
公式サイトhttps://www.proship.co.jp/lp/fs-fa/ 

多拠点・グループ会社一元化に特化した固定資産管理システム

大企業やグループ会社を持つ企業では、複数の拠点や子会社にまたがる固定資産管理が重要な課題となることでしょう。

各拠点でバラバラに管理されている固定資産情報を統合し、本社による一元的な管理体制を構築できれば、内部統制の強化や決算の早期化も実現できます。

  • OBIC7 固定資産管理システム
  • iCAS

OBIC7 固定資産管理システム

OBIC7 固定資産管理システムは、株式会社オービックが提供するERP統合型の固定資産管理システムです。本社と子会社を横断した内部統制強化を目指す企業に最適となっています。

ERPワークフローをグループ全体で共有できるため、固定資産の取得から除却まで一貫した承認プロセスを構築することが可能。

法人税別表16をワンクリックで出力できる機能により、税務申告業務も大幅に効率化されます。

また、監査ログ機能によりすべての操作履歴が記録され、内部統制の強化と監査対応の円滑化が実現できるはずです。

項目内容
最大の特徴ERPワークフローを共有できる
おすすめケース本社と子会社を横断し内部統制を強化したい企業
初期費用要問合せ
月額費用要問合せ
公式サイトhttps://www.obic.co.jp/erp_solution/accounting_info/fixed_assets.html 

iCAS

iCASは、株式会社インプレスが提供する連結会計システムで、多数の子会社を持つ企業での決算早期化に効果的です。

固定資産情報を含む財務データの収集・統合機能があるため、グループ全体の資産管理業務を効率化できます。

Web入力により子会社データも自動で収集できるため、従来の手作業による情報収集から解放されます。600項目を超える豊富なエラーチェック機能により、データの正確性も確保できるように。

日本語・英語・中国語での運用に対応しており、海外子会社を含むグローバル企業でも統一的な管理が可能となっています。

項目内容
最大の特徴Web入力で子会社のデータを自動で収集できる
おすすめケース多数の子会社を持ち決算早期化を目指す企業
初期費用要問合せ
月額費用要問合せ
公式サイトhttps://www.imprex.co.jp/product_icas 

固定資産管理システムの選び方

多様な固定資産管理システムが提供される中で、自社に最適なシステムを選ぶためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。

単純に価格の安さだけで選ぶのではなく、以下のようなポイントに留意しておきましょう。

  • 最新法令に対応しているか
  • 資産件数に合うプランがあるか
  • 使用している会計システムと連携できるか
  • 棚卸機能は実務に適合しているか

最新法令に対応しているか

固定資産管理を取り巻く法制度は頻繁に改正されるため、システムが常に最新の法令に対応していることが不可欠

特にリース会計基準や減価償却制度の変更など、会計処理や税務申告に直接影響する制度改正への対応状況を確認しておきましょう。

システムベンダーが制度改正時に迅速にアップデートを行えているかどうか、過去の対応実績も含めて評価することが重要。

IFRSやUSGAAPなど国際会計基準への対応が必要な企業では、こういった基準変更にも柔軟に対応できるシステムを選ぶ必要があります。

資産件数に合うプランがあるか

自社が管理する固定資産の件数に応じて、適切な料金プランが用意されているかの確認もしておきたいところです。

資産件数が少ない企業が大企業向けのシステムを導入すると、過剰な機能により操作が複雑になったり、コストが割高になる可能性も。

逆に、資産件数が多い企業が中小企業向けのシステムを選ぶと、処理速度が下がってしまったりやデータ容量制限に直面したりすることも考えられます。

なお将来的な事業拡大も考慮し、資産件数の増加に柔軟に対応できるスケーラビリティも考慮しておきましょう。

使用している会計システムと連携できるか

固定資産管理システムから出力される減価償却費の仕訳データを、既存の会計システムにスムーズに取り込めるかは業務効率に大きく影響します。

手作業での転記が必要になると、ミスの発生リスクが高まり、業務効率化の効果も減少してしまいます。

特にクラウド型の会計システムを使用している場合は、リアルタイムでのデータ連携ができるかどうかもポイントとなります。

また、連携するための設定が複雑すぎないかや、そもそも連携した時に対応していないデータ形式がないかどうかについても事前に確認しておくと安心です。

棚卸機能は実務に適合しているか

製造業や流通業では、固定資産の現物管理が重要な業務となるため、棚卸機能が実用的かどうかも重要です。

バーコードやRFIDによる読み取り機能、スマートフォンアプリなどを使った現場での入力など、自社の運用に適した機能が搭載されているかを確認しておきましょう。

また、棚卸結果と台帳データとの差異を分析する機能や、不明資産・余剰資産を抽出する機能などあると安心です。

ニーズによっては独自開発も検討する

複雑な計算方法があったり、通常のパッケージでは対応していない既存システムがある場合、独自システムを開発してしまうのがおすすめです。

開発費用がかかるものの、自社にピッタリあったシステムを構築することができるため、長期的に見ると費用対効果が良くなる可能性が高いと言えます。

なお、この記事を公開しているBPS株式会社では、システムの受託開発を行っています。

開業時の2007年から、「家庭教師のトライ」で知られるトライグループ様やサイバーエージェント様などの大手企業から、慶應義塾大学様や東京大学様などの教育機関まで幅広くご支援させていただきました。

70以上の自治体で導入されている「ビヨンド入退くん」や多くの教育期間や教材会社に利用されている「超教科書」などの自社プロダクトも多く展開しております。

「既存のシステムと連携したい」「資産の計算方法が複雑」といったケースにはぜひご相談ください。

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固定資産管理システムの料金目安

固定資産管理システムの導入を検討する際は、どういった料金体系になっているかも気になるはず。

システムの価格は提供形態や機能範囲、利用規模によって大きく異なるものの、概ね以下のようなイメージを持っておくと良いでしょう。

  • 初期費用は約0〜5万円
  • 月額費用は約0.5〜28万円

初期費用は約0〜5万円

クラウド型の固定資産管理システムでは、初期費用を抑えた料金設定が一般的となっています。

特にSaaS型のサービスでは、初期費用0円で提供されるケースも多く、導入時の負担を最小限に抑えることが可能です。初期費用が発生する場合でも、多くは5万円以下の範囲内。

ただオンプレミス型システムの場合は、サーバー設置やソフトウェアインストール作業が必要となるため、初期費用が高額になる傾向があります。

しかし、近年はクラウド型への移行が進んでおり、初期投資を抑えた導入が主流となっています。

月額費用は約0.5〜28万円

月額費用は利用規模や機能範囲によって大きく変動します。

中小企業向けの基本的なプランでは月額0.5〜5万円程度、中堅企業向けでは5〜15万円程度、大企業向けの高機能プランでは15〜28万円程度が相場となっています。

なお複数の帳簿への対応、IFRS対応、分析機能など比較的高度な機能が含まれていると料金は上昇する傾向です。

年間契約による割引制度を設けているベンダーも多いため、長期利用を前提とする場合は年間契約での見積もりも検討しておくと良いでしょう。

システム導入前にデータ移行でやっておきたいこと

固定資産管理システムの導入において、既存データを問題なく移行できるかどうかも成功の鍵を握ります。

あらかじめ以下のようなことをシステム導入前に行っておくと安心です。

  • 現行の台帳を棚卸しておく
  • インポート形式を統一しておく
  • 試験移行の際にエラーを洗いだす

現行の台帳を棚卸しておく

システム移行前に、現在管理している固定資産台帳の内容を詳細に点検することが不可欠です。

長年の運用により、台帳上の記載と実際の資産状況に乖離が生じているケースが多く見られるため、この機会に見直しを行いましょう。

減価償却が完了しているが除却処理されていない資産や、取得価額に誤りがある資産についても修正を行います。

この作業はかなりの時間を要する作業ではありますが、新システムでの正確な管理基盤を構築するためには欠かせません。なおベンダーによってはサポートしてくれることもあります。

インポート形式を統一しておく

複数の部署や拠点で個別に管理されている資産データを新システムに移行する際は、データ形式も統一しておきたいところです。

部署ごとに異なるExcelフォーマットや管理項目を使用している場合、そのままでは円滑なデータ移行ができません。

特に資産番号、部門コードは、新システムでの運用ルールに従って整理・変換を行っておきましょう

試験移行の際にエラーを洗いだす

本格的なデータ移行を実施する前に、少量のサンプルデータを使用した試験移行を複数回実施しておくと安心です。

この段階で問題を事前に発見しておけば、本格的に移行する前に対策を講じることができます。

移行後のデータについて、従来のシステムと整合性が取れているか・計算結果に相違がないことも確認しておきましょう。

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固定資産と合わせて見える化しておきたいのが、従業員の稼働工数です。

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監修
yama13

yama13
慶應義塾大学卒。2020年より中小企業の経理業務に従事。現在は経理と並行してマーケティング領域も担当し、数字に基づく経営状況の分析を得意とする。実務視点と戦略的な思考を活かし、現場に即した改善提案を行っている。